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『御上先生』生徒役の若手俳優に大きな反響 “圧倒的な存在感”に「本当に演技がうまい」「将来有望すぎる」

  • 2025.2.3

1月19日に放送が始まった『御上先生』(TBS系)。進学校を舞台にした学園ものかと思いきや、学校や省庁で働く人々の思惑が複雑に絡み合った社会派ドラマで、第1話から圧倒的な見応えを見せた。特に、主人公の御上孝(松坂桃李)が、奥平大兼が演じる神崎拓斗に報道姿勢の是非を問うシーンでは、現実に起きている事件やその発生に繋がっている社会問題を思い浮かべた人も多かっただろう。

テーマを体現する奥平大兼の演技力

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日曜劇場『御上先生』第2話より (C)TBS

『御上先生』を見る上でまず取り上げたいのは、何よりも奥平大兼の演技力だ。奥平大兼が演じた神崎は、報道部の部長として私立隣徳学院内のニュースを取り上げることに躍起になっている。その一例として、神崎はある女性教師の不倫を校内新聞でスクープし、そのせいで女性教師は辞職に追い込まれた。次は、御上が学院に来た理由を突き止めようとしている。

神崎は登場時から周りにトゲを見せるようなコミュニケーションをとっていて、クラスメイトからも距離を置かれた存在。奥平の人を寄せ付けない雰囲気や感情を大袈裟に表現しない表情などが、神崎のどこか危うい正義感を表現していた。

その後、神崎は御上が天下りのあっせんの容疑をかけられたことから、隣徳学院に左遷されたことをスクープ。しかし、御上は神崎の堂々とした態度に動じず、むしろ「こんなもの闇ではない。日常だ」「ゴシップを報じてどうする」と、神崎を煽る。その後、神崎を個人的に呼び出した御上は、「本当の闇を知りたければ、僕を手放すな」とさらに威圧する。

神崎の異常な正義感が生む攻撃的な報道姿勢は、現実でもよくあるものだろう。SNSで個人が何気なく投稿したものが、数多くの人の正義感を焚き付け、個人が袋叩きにあってしまうことなど、正義感の暴走について語られているように感じられた。神崎が御上に自身の報道の正当性を主張するシーンでは、彼の未熟な精神性が現れており、正義感が必ずしも正しいとは言えない危うさを表現していた。また、御上と神崎が対峙するシーンでは、御上を演じる松坂桃李の仄暗い闇に、怯えつつも手を伸ばそうとする神崎の心情が見てとれた。

映画『Cloud クラウド』でも放った存在感

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日曜劇場『御上先生』第2話より (C)TBS

映画『MOTHER マザー』でデビューした奥平は、『君は放課後インソムニア』や『PLAY!〜勝つとか負けるとかは、どーでもよくて〜』など映画主演の実績を重ねつつ、ドラマでも活躍している。

2023年に放送されたドラマ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)では、主人公・里奈(松岡茉優)と好意的にコミュニケーションを取りつつ、里奈の1周目、2周目の人生で彼女を突き落とし、死に追いやろうとした張本人という重要な役柄を好演。『御上先生』で演じている神崎以上に底が見えない役柄で、そこはかとない怖さがあった。

また、2024年公開の『Cloud クラウド』では、転売ヤーをしている主人公・吉井良介(菅田将暉)が、複数人から命を狙われる展開を助ける救世主・佐野を演じ、主演の菅田将暉に引けをとらない存在感を発揮した。救世主であるはずなのに、まったく正義を感じない佇まい、躊躇なく相手を撃ち殺す異常性とあどけなさなどが合わさり、震え上がるほど恐ろしさのある役柄だった。恐ろしいのになぜか画面から目が離せず、釘付けにさせられてしまう。そんな求心力が奥平にはある。

SNSでは、「本当に演技がうまい」「醸す不穏さから目が離せない」「将来有望すぎる」など、御上先生の感想に奥平の芝居を絶賛する声も多い。御上先生には、他にも蒔田彩珠や窪塚愛流、髙石あかりなど注目の若手俳優が出演中。松坂桃李とどんな芝居合戦を見せるのか、見逃せない。

TBS系 日曜劇場『御上先生』 毎週日曜よる9時



ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202