「バチクソ面白い」「過去一ハマった」大好評だった“韓国ドラマ”おさらいとシーズン２の見どころとは

イ・ジョンジェ演じるソン・ギフンが、自身の借金返済のため挑むことを決意するデスゲームが舞台の『イカゲーム』。2021年にNetflixで配信されるや否や、すでに食傷気味にも感じられていたデスゲームの地平に新たな金字塔を打ち立てた。待望のシーズン2が約3年のときを経て、2024年12月26日から配信。シーズン3の制作・配信も2025年に決まっている。「終始バチクソ面白い！」「過去一ハマった」と大好評だったシーズン１に続き、SNS上では「シーズン2楽しみすぎ」「2のために1を一気見した」と楽しみにしているファンの声が見られる。

新たな“快楽”を伴う、デスゲームの金字塔

デスゲームとは、もはやフィクションにおいてなくてはならない人気巨大ジャンルの一つとなっている。絶海の孤島や断絶された教室など、一定の条件下で動きを制限された“プレイヤー”たちが、何かの目的のために（大体は巨額の金銭）命を削り合う様を描いたデスゲームもの。

日本でも『バトル・ロワイアル』（2000）や『LIAR GAME』（2007）などの作品で認知が広まったジャンルだ。シーズン2＆3の配信が決まった『イカゲーム』のシーズン1が配信されたのは2021年で、すでにデスゲーム界隈におけるお決まりの流れは確立しきっているように思える。

しかし『イカゲーム』は絶大な話題を呼び、多くの人が知る作品となった。『イカゲーム』がここまで人気を博したのは、デスゲームものに付き物のある種の“快楽”が、よりセンセーショナルかつ享楽的に強調されていたからではないか。

主人公・ギフンはお金にだらしない性分で、多くのデスゲームの主人公らしく多額の借金を抱えていた。内緒で母親の通帳を持ち出し、お金を引き出してはギャンブルに注ぎ込んでいる典型的なドラ息子だ。

娘の誕生日を祝うため金が必要だったギフンは、なんとかギャンブルで大勝ちするが、借金取りに追われている最中にぶつかったカン・セビョク（チョン・ホヨン）にスられてしまう。まさに首が回らない状態に陥ったギフンは、駅のホームで行きあった“めんこ男”の策略で『イカゲーム』に参加することに。

1話で開催されるゲームは、日本でいう「だるまさんがころんだ」。システム自体はシンプルだ。巨大な人形が「だるまさんがころんだ」と言っている間は前に進める。それ以外の時間に少しでも身体を動かすと、射殺されてしまう。

5分以内に赤い線の向こうまで達さなければならない。その短いあいだに、ギフンを取り巻くさまざまなプレイヤーと、それぞれの人間関係が示唆される。

ギフンの幼馴染であるチョ・サンウ（パク・ヘス）は優秀な男だったが、実は60億ウォンもの負債を抱えていた。ゲーム参加前にギフンの金をスったカン・セビョクは、因縁のある男を盾にしながら前に進む狡猾な面をあわせ持つ。転びかけたギフンをすんでのところで捕まえてくれたアリ・アブドゥル（トリバティ・アヌファム）は人のことを疑えない、優しい心の持ち主だ。

人が次々と射殺されていく様子が、ゲームマスターらしき男が流したジャズの音色に乗って展開していく。金策に溺れ、にっちもさっちもいかなくなった“底辺”にいる人間たちを、高みから眺める“富裕層”の図。デスゲームにありがちな典型的な構図ではあるが、よりスタイリッシュに描かれている点にどこかグロテスクな異物性を感じる。

シーズン2の注目ポイントは？

シーズン1の結末は、明らかにシーズン2を見越していた。『イカゲーム』の存在と存続そのものを疑問視するギフンが、ふたたび次のゲームに参加することを示唆して終わる。

シーズン2は、『イカゲーム』を終わらせる強い目的意識を持ったギフンと、ゲームマスターであるフロントマン（イ・ビョンホン）の直接対決にフォーカスが当たるのだろう。シーズン3までの制作・配信が決定しているということは、彼らの決着はシーズン3まで持ち越されることもあり得る。

新たにどんなゲームが繰り広げられるのか、全貌は明らかになっていない。しかし参戦するプレイヤーは発表されている。

シーズン1にも登場していた、ギフンのギャンブル仲間であるチョンベ（イ・ソファン）をはじめ、トランスジェンダーのヒョンジュ（パク・ソンフン）や、かつてのギフンと同じくギャンブルに明け暮れるヨンシク（ヤン・ドングン）と、その母のクムジャ（カン・エシム）親子の動向も気になるところだ。

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Netflixシリーズ『イカゲーム』シーズン2
［出演］イ・ジョンジェ、イ・ビョンホン、イム・シワン
［制作］ファン・ドンヒョク
［配信］Netflixにて独占配信中
（C）Netflix

ライター：北村有（Kitamura Yuu）
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X（旧Twitter）：@yuu_uu_