二桁の数同士の掛け算は、暗算では難しいと思うかもしません。しかし、ある条件のときには、簡単に計算することが可能になります。
その方法さえ覚えてしまえば、暗算で計算することもできるでしょう!
問題
次の計算を暗算でしなさい。
75×75(75の2乗)
普通に計算すると、暗算では少し難しく感じるかもしれません。
まずは正しい答えを出すことができるか、自分自身で計算してみましょう。
解説
今回の問題の答えは「5625」です。
ここでは暗算で答えを求める方法を紹介します。
今回ご紹介する計算方法は、「◯5の2乗」の計算で利用可能です。
※「二桁で一の位が5の数」を2乗する計算
【手順1】
十の位の数とそれより1大きい数を掛け算する。
「75×75」の場合、十の位「7」と「7より1大きい数(8)」を掛け算。(7×8=56)
【手順2】
一の位の数(5)を2乗する。
(5×5=25)
【手順3】
【手順1】、【手順2】で求めた数を並べる。これが答えとなる。
(56と25なので、5625)
とても簡単に計算することができましたね。
「◯5の2乗」という計算であれば、すべて同じ手順となります。
気がついた方がいるかもしれませんが、「◯5」を2乗すると、その計算結果の下二桁は必ず「25」になります。
15の2乗= 225
25の2乗= 625
35の2乗=1225
45の2乗=2025
・・・
つまり、実質計算をしなければいけないのは、百の位、千の位の部分ということになります。
これも簡単な九九だけで求めることができますね!
計算法が成り立つ理由
ここでは、上記の計算方が成り立つ理由を数学的に証明をしてみましょう。
その証明のために、下記の展開公式を利用します。
<展開公式>
(a+b)^2 = a^2 +2ab +b^2
今回の計算では、二桁で一の位が5である数を2乗します。
つまり
(10a+5)^2
の計算をするということになります。(十の位がa)
これを展開公式に当てはめ、式変形をしてみましょう。
(10a+5)^2
=(10a)^2 +2×10a×5 +5^2
=100a^2 +100a +25
=100a(a+1) +25
a(a+1)の部分が、【手順1】に当たる計算です。
100が掛けられているので、100a(a+1) の答えは百の位と千の位になります。
また、下二桁は必ず「25」になることも分かります。
まとめ
今回の計算では、複雑な手順がなく、とても簡単で覚えやすいはずです。
うまく利用すると、さらに計算スピードを上げられるはずなので、ぜひ利用してください!
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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