負の数の割り算、計算方法を覚えていますか?
学生のころ、負の数や割り算に苦手意識を持っていたという人も、ぜひ挑戦してみてください。
すぐに答えを出すためのポイントが分かりますよ。
問題
次の計算をしてください。
−9÷(−9)÷(−9)
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「−1/9」です。
小数で答えを出そうとしていた人にとっては、意外な正解だったかもしれませんね。
次の「ポイント」で、今回の問題の詳しい計算方法を確認してみましょう。
ポイント
今回の問題には、以下の二つのポイントがあります。
- 負の数の割り算の答えの正負
- 割り切れない割り算の答えの出し方
それぞれ順番に解説していきますね。
負の数の割り算の答えの正負
今回の割り算の答えは負の数でしたが、負の数の割り算なら、必ず答えが負の数になると考えるのは間違いです。
答えの正負は次の計算ルールによって決まります。
<答えの符号の決め方(割り算編)>
・同符号どうしの割り算の答え→正の数(+)になる
例:−1÷(−1)=1
・異符号どうしの割り算の答え→負の数(−)になる
例:−1÷1=−1
今回の問題では、最初の割り算が負の数÷負の数なので、同符号どうしの割り算になり、答えは正の数になります。
−9÷(−9)÷(−9)
=1÷(−9)
次は、正の数÷負の数、異符号どうしの割り算になりますので、問題の答えは負の数になると分かります。
割り切れない割り算の答えの出し方
1÷(−9)は負の数になるので、1÷9の答えにマイナス記号を付ければ計算は終わります。
しかし、1÷9は割り切れない割り算です。計算しようとすると、0.1111...となってしまい、小数点以下に延々と1が続きます。これでは、5秒以内どころか、丸一日計算していても答えが出ないでしょう。
そこで、視点を変えて「分数で答えを出すこと」を考えます。
割り算の計算結果は、小数だけでなく「割られる数/割る数」という分数でも表せます。つまり、1÷9の答えは1/9とすればよいのです。
後は先ほどの答えの正負のルールに従い、この分数にマイナス記号を付けるだけでOKです。
1÷(−9)
=−1/9
とてもシンプルな手順で答えが出せましたね。
まとめ
今回は、負の数の割り切れない割り算に挑戦しました。
負の数の割り算では、割られる数と割る数の符号に注目して答えの正負を決定します。異符号どうしの割り算なら答えは負の数、同符号どうしの割り算なら答えは正の数になります。
また、割り算の答えは、小数だけでなく分数で表せることも覚えておきましょう。割り切れない割り算の場合は、分数で答えるほうが楽です。答えの形式が小数と指定されていないときは、ぜひこの方法を使ってください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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