二つ、三つの数字が出てくるだけの式なら計算も簡単ですが、数字が三つ、四つと増えてくれば暗算するのは難しくなる…。そう思っていませんか?
しかし、式をよくよく見てみれば、楽に計算する方法が見つかるかもしれませんよ。
さて、今回の問題、あなたは暗算できるでしょうか?
問題
次の計算をしなさい。
−103+(−103)+(−103)+(−103)
※制限時間は10秒です。
解答
正解は、「−412」です。
制限時間内に計算できましたか?
10秒以内に計算するのは難しいと思った人は、ぜひ次の「ポイント」を確認してください。
ポイント
今回の問題のポイントは、「足し算を掛け算として計算すること」です。
問題をよく見てください。−103という同じ数が繰り返し足されていますよね。このように、「同じ数が繰り返し足されている足し算」は掛け算を使うとより簡単に表せます。
負の数ではピンとこないという人は、一度、正の数で考えてみましょう。
例えば、一個50円のクッキーを10個買うときの値段を計算するとき、50+50+50+...と50を10個足すのは面倒ですよね。よって、多くの人は「50×10」という掛け算を使うはずです。
負の数の場合も同じです。−103を繰り返し4個足しているので、この計算は「−103×4」と同じ意味です。
−103+(−103)+(−103)+(−103)
=−103×4
掛け算の形にすると、足し算をするよりも計算がぐっと楽になります。
−103×4
=−412
「負の数×正の数=負の数」になるので、答えにはマイナスの符号をつけることを忘れないようにしましょう。
なお「負の数×正の数=負の数」のルールを忘れてしまっていても、「−103が足されていく→負の数がどんどん増えていく→答えは負の数」だという連想ができれば、掛け算の答えが負の数だと分かるはずです。
【おまけ】 掛け算の符号ルール
掛け算の答えの符号の決め方は、次のように決まっています。
<答えの符号の決め方(掛け算編)>
・同符号どうしの掛け算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1
・異符号どうしの掛け算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1
負の数が登場する計算ではよく使われるので、この機会に覚えておきましょう。
まとめ
今回の問題はいかがでしたか?
同じ数を繰り返し足しているなら、掛け算に直しましょう。計算が楽になりますよ。
他にも計算の工夫がポイントになる問題を用意していますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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