分数は小学生のときに勉強する分野ですが、大人になってからも計算方法を覚えているでしょうか。分数の計算をする機会は日常生活ではあまりないので、すっかり忘れてしまっている人もいるかもしれませんね。
今回の問題に挑戦して、計算方法を確かめてみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
(3+2/3)+(2+1/2)
※本記事では、「3と2/3」のような帯分数を「3+2/3」と表します
解答
正解は、「6+1/6」です。
どうやって計算すればよいか、思い出せましたか?
次の「ポイント」で計算方法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「整数部分と分数部分を別々に計算すること」です。
帯分数、真分数、仮分数
まずは分数用語の復習をしておきましょう。
今回の問題に登場するような「整数+分数の形をした分数」を帯分数といいます。
帯分数では1以上の数は整数として表しますので、分数部分は1より小さい分数(分子が分母より小さい分数)でなくてはなりません。このような分数を真分数といいます。
一方で、分子が分母と同じか、分母より大きい分数(1以上の分数)を仮分数といいます。
<帯分数>
1+1/2→整数と真分数の組み合わせなので〇
1+3/2→整数と仮分数の組み合わせなので×
帯分数の計算
では、問題を計算していきましょう。
(3+2/3)+(2+1/2)
帯分数の足し算では、整数部分と分数部分を別々に足すと計算がスムーズです。
まずは、整数部分を足しましょう。
<整数部分の足し算>
3+2
=5
次に分数部分を足します。分数の足し算では、分母を共通の数に揃えてから分子どうしを足します。
分母が3と2なので、共通の分数は二つの数の最小公倍数(共通の倍数の中で一番小さい数)である6にします。
分数では分子と分母に同じ数を掛けても表している数は変わらないので、2/3の分子分母に2を、1/2の分子分母に3を掛けて、分母を6に揃えましょう。このように表している数を変えずに分母を共通にすることを通分といいます。
具体的には、次のように計算します。
<分数部分の足し算>
2/3+1/2
=(2×2)/(3×2)+(1×3)(2×3) ←通分する
=4/6+3/6 ←分母が共通の6になる
=(4+3)/6
=7/6
ここで一つ注意したいのが7/6は1以上の分数だということです。
先に見たように、帯分数の分数部分は1より小さい真分数でなくてはなりません。
ここまでの計算式は、整数と仮分数の組み合わせになっている(5+7/6 )ため、7/6を次のように整数と分数に分けます。
7/6
=6/6+1/6
=1+1/6
あとは、これを整数部分の計算結果である5と足せばよいのです。
計算過程をまとめてみると、次のようになります。
5+7/6
=5+(1+1/6) ←分数を整数+真分数に分解
=(5+1)+1/6 ←整数部分を足す
=6+1/6
これで答えを出せましたね。
まとめ
今回の問題では、帯分数の足し算に挑戦しました。
帯分数の足し算では、整数部分と分数部分を別々に足すと計算がスムーズです。
ただし分数の足し算をした結果、分子が分母より大きい仮分数になってしまったときは、分数を整数と真分数に分けてから、再度整数部分の足し算をしましょう。
他にも分数の問題を用意していますので、ぜひ引き続き挑戦してくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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