繰り上がりのある足し算は、筆算でするにしても面倒なものです。しかし、ある方法を使えば、繰り上がりのある足し算の答えを暗算で素早く出せるようになります。
どんな方法か気になる人は、ぜひ今回の問題に挑戦してみてください。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
468+397
※制限時間は5秒です。
解答
正解は、「865」です。
制限時間内に答えられたでしょうか?
5秒以内で暗算するための「ポイント」を見てみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは、「式を繰り上がりのない足し算へ変換すること」です。
例えば、足す数の397を切りのよい400に変えれば、繰り上がりは起きず、計算はとても簡単になりますよね。
468+397
→468+400=868(繰り上がりが起きない)
ただし、468+397と468+400は別の式なので、答えは当然ながら一致しません。
では、一致させるにはどうしたらよいのでしょうか?
「468+400」は468+397に比べて、足す数が「400−397=3」だけ多くなっています。つまり、468+400の答えから、この3を引いてあげれば、もとの式「468+397」の答えと一致するのです。
では、実際にやってみましょう。
468+397
=468+400−(400−397)
=868−3
=865
このように計算することで、面倒な繰り上がりを回避し、簡単な足し算と引き算だけで答えを出せるようになります。
まとめ
今回紹介した繰り上がりのある足し算の暗算方法は、一般化すると次のように表せます。
a+b
=a+b'−(b'−b)
※b'をaから引きやすい数に設定する(今回の問題ではb'=400、b=397)
bの代わりに引くb'には、できるだけbと近い数を選びましょう。そうすることで、「b'−b」の計算が楽になり、暗算もしやすくなります。
ぜひ他の問題にも挑戦して、計算を楽しんでくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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