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崩壊寸前!? 波乱の幕開けを迎えた朝ドラ『おむすび』SNSでは“予想外の人物”に応援の声「親と重なる」

  • 2024.11.22

ついに主人公・米田結(橋本環奈)が栄養士を目指すため、栄養専門学校へ入学。ここで約2年間、同級生と協力しながら栄養士の資格取得に励むことになる。第8週「さよなら糸島 ただいま神戸」では、久々に戻ってきた神戸の様子が表現されるとともに、結の同級生であり同班の矢吹沙智(山本舞香)、湯上佳純(平祐奈)、森川学(小手伸也)との出会いも描かれた。真面目で物言いが強い沙智のせいか、さっそく班内は険悪な雰囲気で……。

心機一転、なのに空気は最悪?

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(C)NHK

神戸に戻り、栄養専門学校へ通い始めた結。そこで出会ったのは、スポーツ専門栄養士を目指す沙智と、実家が病院を経営している佳純、そして元・不動産会社の営業マンで45歳の森川だった。

結をはじめ、ほとんどが20歳前後の若い女性が多いなか、45歳男性の同級生は嫌でも目立つ。SNS上では「モリモリ、かわいい!」「応援したくなる」「年を重ねてから学校に入り直した親と重なる」など、若い世代に混じって研鑽に励む森川に好意的な声が多数みられた。

名前順で決められたのか、同じ班になった4人は、ともに実習に勤しむ日々をスタート。結にとっては神戸で心機一転、そして恋人・四ツ木翔也(佐野勇斗)のためにも「栄養士になる」という夢を叶える第一歩となった。

しかしスポーツ専門栄養士を目指す沙智は、ギャルの姿をしている結に対し、最初から良い印象を持ってはいない様子。それは佳純や森川に対しても同じようで、何かと「甘い」と厳しく指摘し、グループ内の空気を凍らせてしまう

学校、会社、仕事関係のコミュニティや地方の集まりなど、年齢や立場を問わずさまざまな人間関係に揉まれ、生きていかなければならない私たち。協調性に欠けると言わざるを得ない沙智の言動を見ていると、多少グループ内の空気を悪くしたとしても、自分の望みさえ果たされればそれでいい、と考えているのが透けて見えるようだ。

協調性ゼロのグループを変えた恩人とは

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(C)NHK

しまいには、単位を落とすのが嫌だから班を変えてくれ、と講師に直談判までする沙智。それを受けた講師は、本来なら一年生の後半におこなう献立作成を課す。

なぜ早い段階で献立作成を課題とされたのか? 疑問を隠しきれない結と森川に、佳純は「各自の能力を見て、班を決め直すんとちゃう?」と言及。沙智は、自分が一人で献立を考えるから何もするな、と再び協調性ゼロの発言を繰り返す。

しかし、結は沙智と佳純が作成した献立を良いとこ取りし、二人の仲がこれ以上、険悪なムードにならないようファインプレーを繰り出した。それを追いかけるように、二人分を掛け合わせて「最強」になった献立を、よりブラッシュアップさせたのが森川。居酒屋でアルバイトを始めた、という彼の知識によって、洋風・和風のバランスが崩れかけていた内容を、より安定させることに成功した

森川独特の物腰の柔らかさ、誰の意見も否定せず絶妙な折衷案を提示する様子には、見習うところが多い。彼が言っていたように、講師が時期尚早な課題を出したのは、個人の能力を図る意味合い以上に「グループとしての協調性を保てるか」を重視した結果だろう。

結たちは協力し合い、献立作成の課題を乗り切ることができた。これで一件落着、4人とも仲良しになれる……とは言い切れないが、少なくとも沙智は、自分一人の力だけでは単位を取れないことに思い至っただろう。

神戸での栄養学校編がスタートし、新しい登場人物が加わったことで、マンネリ化しつつあった『おむすび』にも変化が生まれている。このまま起死回生への道を辿り、最後まで走り切れるだろうか。

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(C)NHK

NHK 連続テレビ小説『おむすび』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHKプラスで見逃し配信中



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_