電卓に式を入力すれば、必ず正しい答えが出る――そう思い込んでいませんか?
実は、式を左から順に数値と演算記号をそのまま入力するだけでは、電卓が間違った結果を表示してしまう場合があります。
今回の問題も、そのようなケースの一例です。果たして、あなたは正しい答えを導き出せるでしょうか?
問題
次の計算をしてください。
12+(20−11)×7÷3
解答
正解は、「33」です。
あなたの出した答えと一致したでしょうか?
もし間違っていたという人は、次の「ポイント」で計算過程を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「計算の順番」です。
計算は、必ず式の左から順にすればよいわけではありません。以下のような、計算の優先順に関するルールがあるからです。
<計算の優先順>
1.( )の中の計算
2.掛け算、割り算
3.足し算、引き算
最も優先順が高いのは( )の中、次に掛け算と割り算、最後に足し算と引き算となります。なお、同じ優先順の計算に関しては、左から順に計算するのが正解です。
では、この優先順のルールに従い、今回の問題を計算していきましょう。最初は、( )の中から計算を始めます。
12+(20−11)×7÷3
=12+9×7÷3
次に、掛け算と割り算の計算をします。この式には、掛け算と割り算が一か所ずつありますが、この二つの優先順は同じなので、左から順に計算します。
12+9×7÷3
=12+63÷3
=12+21
最後に、足し算の計算をすれば、答えが出せます。
12+21
=33
なお、一般的な電卓は打ち込んだ順に計算を終えていきます。左から順に数字と演算記号を入力するだけだと、先に12+20を計算してしまい、正しい答えを出せません。
まとめ
今回の問題では、計算の順番がポイントになりました。
計算の優先順は、「( )の中→掛け算と割り算→足し算と引き算」の順になります。これを無視して左から順に計算すると、間違った答えが出てしまうことがありますので、注意しましょう。
他にも計算の順番がポイントになる問題を用意していますので、ぜひご覧ください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
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