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大人が意外と解けない数学「√99225」→整数で表すと?

  • 2024.11.5
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数学の記号には、実にさまざまなものがあります。

しかし、日常生活ではあまり扱う機会がないため、大人になってからはほとんど見ていないという人も多いでしょう。

「√(根号)」もそんな数学記号の一つかもしれません。

今回の問題を解いて、「√(根号)」とは何だったかを確認してみましょう。

問題

(問題)
次の数を根号を含まない整数に変換してください。
√99225

解答

正解は、「315」です。ちなみに、「±315」は不正解です。

どうやったら√を整数に直せるか、分かったでしょうか。

次の「ポイント」で解答方法を確認してみましょう。

ポイント

この問題のポイントは、「倍数の特徴を使うこと」です。

まず、√を整数に表すとはどういうことなのかを確認しておきましょう。

(a>0のときの)√aとは、二乗するとaになる正の数のことです。(√a)^2=aという関係が成り立ちます。

つまり、「√aを整数で表してください」という問題を言い換えると、「二乗するとaになるような整数を見つけてください」になります。

ただし、√aは「正の数」を表しているということに注意してください。例えば、−2は二乗すると4になりますが、負の数であるため「√4=−2」とするのは間違いです。√4を整数で表すなら、「2」が正しい答えになります。

さて、√4のような小さい数であれば、すぐに当てはまる整数が思いつきますが、今回の問題のように√の中身が五桁の場合は答えを瞬時に見つけることは難しいでしょう。

そこで使えるのが「倍数の特徴」です。

√aを整数で表すには、aを同じ数の掛け算(b×b)の形に直せればよいわけです。つまり、aが何の倍数か調べればよいのですね。

よく知られている倍数の特徴には、次のようなものがあります。

  • 3の倍数 → 全桁の数字の合計が3で割れる
  • 5の倍数 → 一の位が0もしくは5

では、この特徴を活かしながら、99225を掛け算で表していきましょう。

  1. 99225は一の位が5なので、5の倍数であるとすぐに分かります。99225÷5=19845ですから、99225=5×19845と表現できます。
  2. 19845も一の位が5の5の倍数であり、19845÷5=3969ですから、99225=5×5×3969といえます。
  3. 3969の各桁を足すと3+9+6+9=27(3で割れる)ので、これは3の倍数です。3969÷3=1323ですから、99225=5×5×3×1323です。
  4. 1323の各桁合計も1+3+2+3=9(3で割れる)ので、これも3の倍数です。1323÷3=441なので、99225=5×5×3×3×441です。
  5. 441の各桁合計は4+4+1=9(3で割れる)ので、これも3の倍数です。441÷3=147なので、99225=5×5×3×3×3×147となります。
  6. 147の各桁合計も1+4+7=12(3で割れる)ので、これも3の倍数です。147÷3=49なので、99225=5×5×3×3×3×3×49となります。
  7. 49は7×7ですから、最終的に99225=5×5×3×3×3×3×7×7の形になります。

ここまでの過程を式で表すと、次のようになります。

  99225
=5×19845
=5×5×3969
=5×5×3×1323
=5×5×3×3×441
=5×5×3×3×3×147
=5×5×3×3×3×3×49
=5×5×3×3×3×3×7×7

最後に、右辺を同じ数の二乗の形に整えましょう。
5×5×3×3×3×3×7×7
=(5×3×3×7)×(5×3×3×7)
=315×315

99225は315の二乗なので、√99225は「315」という整数で表せると分かります。なお、√99225は正の数でなくてはならないので、「√99225=−315」や「√99225=±315」としてはいけません。

別解

先に紹介した解き方では、3と5という素数を使って99225を分解していきました。3や5は1と自分自身以外では割れない素数という数です。√を整数に直すときは、この素数の倍数の特徴を使うと便利です。

ただ、今回のような方法とは少し違いますが、素数以外の数を使って計算過程をショートカットすることもできます。

ここでは、次の9の倍数の特徴を使ってみましょう。

  • 9の倍数 → 全桁の数字の合計が9で割れる

99225の各桁の合計は、9+9+2+2+5=27(9で割れる)なので、99225は9の倍数だと分かります。99225÷9=11025ですが、11025の各桁の合計も1+1+0+2+5=9と9で割れるので、11025も9の倍数です。

よって次のように表せます。

  99225
=9×11025
=9×9×1225

1225は、一の位が5なので5の倍数です。1225÷5=245であり、245も5の倍数になります。

  99225
=9×11025
=9×9×1225
=9×9×5×245
=9×9×5×5×49

49=7×7ですから、最終的には99225=9×9×5×5×7×7の形になります。

   9×9×5×5×7×7
=(9×5×7)×(9×5×7)
=315×315

こちらの方法の方が、少し速く計算が終わったのではないでしょうか。

まとめ

今回は、√を整数で表現する問題に挑戦しました。

√aを整数で表すには、a=b×bの形になるような整数bを探せばよいのです。ただし√a(a>0)は正の数なので、bに負の数を含めないようにしましょう。√内の数字が大きい場合は、倍数の特徴を利用して、数字を少しずつ掛け算の形に変形していくようにします。

√に関する問題は他にもありますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)

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和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事

2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。


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