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大人が意外と間違える数学「(−1)^100+(−1)^99」→5秒で計算できる?

  • 2024.11.4
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ややこしく見える式でも、ある計算規則を使うと瞬く間に計算できてしまうことがあります。

難しいと思っていた問題が案外簡単に計算できると気が付いたときの爽快感は、なかなか気持ちのよいものですよ。

さて、今回の問題も一見複雑に見えますが......。あなたは何秒で計算できるでしょうか?

問題

次の計算をしてください。
(−1)^100+(−1)^99

※制限時間は5秒です。

解答

正解は、「0」です。

100や99という大きな数字に戸惑っていると、制限時間をオーバーしてしまうかもしれません。

この問題を5秒で計算するにはどうしたらよいのか、次の「ポイント」で確認してください。

ポイント

今回の問題のポイントは、「負の数を何回掛けているか」です。

まずは、掛け算の答えの符号について、基本ルールを振り返ってみましょう。

・同符号どうしの掛け算→答えは正の数
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数

例えば、5×5は「正の数×正の数」と同符号どうしの掛け算ですから、答えは正の数の25になります。

これは「負の数×負の数」でも同じで、(−5)×(−5)の答えも正の数の25です。

逆に(−5)×5は「負の数×正の数」と異符号どうしの掛け算になるので、答えは負の数−25になります。

さて、この基本ルールを拡張すると、次のことが言えます。

・掛け算内の負の数が偶数個→答えは正の数
・掛け算内の負の数が奇数個→答えは負の数

なぜこうなるのでしょうか?

例えば、(−5)×(−5)×(−5)×(−5)という計算式があったとします。(−5)×(−5)という負の数どうしの掛け算の答えは、正の数になりますね。

  (−5)×(−5)×(−5)×(−5)
=25×25
=625

このように掛け算内の負の数が偶数個であれば、すべての負の数が「負の数×負の数」のペア(答えが正の数になる掛け算)を作れるため、全体の答えは正の数になるのです。

次に、(−5)×(−5)×(−5)という計算式を考えてみましょう。

(−5)×(−5)という負の数どうしの掛け算のペアを作っていくと、一つだけ負の数が余ってしまいますね。

  (−5)×(−5)×(−5)
=25×(−5)
=125

掛け算内の負の数が奇数個であれば、ペアになれない負の数が一つ余り、どこかで「正の数×負の数」の計算が必ず発生します。

そのため、全体の答えは負の数になります。

では、これを踏まえて今回の問題を見てみましょう。

(−1)^100+(−1)^99

(−1)^100は(−1)を100回、(−1)^99は(−1)を99回掛けているという意味です。

100は偶数ですから、(−1)^100の答えは正の数である1になります。一方、99は奇数なので、(−1)^99の答えは、負の数である−1になります。

  (−1)^100+(−1)^99
=1+(−1)

負の数の足し算は引き算と同じなので、+(−1)は−1として計算します。

  1+(−1)
=1−1
=0

これで答えが出ましたね。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

「掛け算内の負の数が偶数個なら答えは正の数」「掛け算内の負の数が奇数個なら答えは負の数」というルールは、覚えておくととても便利です。今回のように負の数が掛けられている回数に注目するだけで、問題がとても簡単になるケースもありますので、積極的に利用しましょう。

他にも負の数に関する問題を用意していますので、挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)

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和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事

2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。


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