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大人が意外と間違える算数「93+59−93×59÷93」→5秒で計算できる?

  • 2024.11.2
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ゆっくり計算すれば正しい答えを出せるにもかかわらず、時間制限があると頭がフリーズしてしまうことはよくあります。

しかし、その短い制限時間は「計算を工夫せよ」というヒントかもしれません。

式をよく見ることで、スピーディーな答えの出し方が見えてきませんか?

問題

次の計算をしてください。
93+59−93×59÷93
※制限時間は5秒です。

解答

正解は、「93」です。

制限時間内に答えを出せたでしょうか?

とても計算できなかった、という人は次の「ポイント」を確認してみてください。

ポイント

今回の問題のポイントは、「極力計算しないこと」です。

計算問題なのに計算しないとは、どういうことでしょうか。

実はこの問題、式の特徴をうまく使うことで、面倒な計算を回避できるのです。

さっそくやってみましょう。

ステップ1: 「93×59」の計算を回避する

この問題には、足し算・引き算・掛け算・割り算の四則演算がすべて含まれています。

このような場合には、足し算と引き算よりも掛け算と割り算を優先します。左から式を見ていき、優先度が高い部分を先に計算しましょう。

今回の問題で最初に計算すべきは、「93×59」の部分です。

93+59−93×59÷93

しかし、93×59の計算を5秒以内に行うのは難しいですよね。そこで次の「÷93」に注目してください。

93+59−93×59÷93

掛け算の直後に「掛けられる数」で割り算すると、その答えは「掛ける数」になります。

どうしてこのようになるのかについて知りたい人は、掛け算と割り算を分数で表してみましょう(割り算は、「割られる数/割る数」という分数で表すことができます)。

   a(掛けられる数)×b(掛ける数)÷a
=(a×b)/a ←aで約分する
=(1×b)/1
=b

「掛けられる数a」と「割る数a」で約分できるため、答えは「掛ける数b」になるのです。

これを、今回の問題にも利用してみましょう。

  93+59−93×59÷93
=93+59−59

これで、「93×59」の計算を回避することができました。

ステップ2: 「93+59」の計算を回避する

ステップ1により、計算式は「93+59−59」のようにシンプルになりましたが、「93+59」の計算も繰り上が面倒です。

そこで、「59−59」に注目しましょう。同じ数から同じ数を引いているので、答えは0になりますよね。

  93+59−59
=93−0
=93

このように先に「59−59」から計算すれば、「93+59」の計算を回避できるので、とても簡単に答えが出せます。

ここで、勝手に式の順番を変えて計算してもよいのか疑問に思った人もいるかもしれません。

しかし、上のような形で式の順番を変えることには問題ありません。

この背景には次の2つの計算ルールがあります。

<結合法則>
足し算や掛け算では順番を変えて計算しても答えは同じという法則
例:1+5+6=6+1+5=12
<負の数の足し算>
負の数の足し算は引き算と同じ(引き算は負の数の足し算と同じ)
+(−■)=−■

「93+59−59=93+59+(−59)」と考えれば、結合法則により「59+(−59)=59−59」から計算しても問題がないことが分かります。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

制限時間内に解くためには、「極力計算しないこと」が大事でした。このように複雑な計算を回避することは、計算ミスを減らすことにもつながります。さまざまな知識を使って、どのようにしたら計算を楽にできるのか考えてみてください。

他にも制限時間付きの計算問題を用意していますので、ぜひ挑戦してみてくださいね。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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