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大人が意外と忘れている数学「(−8)×(−3)÷(−12)」→正しく計算できる?

  • 2024.9.20
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負の数の計算は、正の数と同じように計算しようとするとつまずきを感じることがあります。

特に答えの符号については、しばらく計算問題から離れていた人にとって悩ましいポイントかもしれません。

今回の問題に挑戦して、負の数の計算ルールを確認してみませんか?

問題

次の計算をしてください。
(−8)×(−3)÷(−12)

解答

正解は、「−2」です。

マイナスの符号だらけの問題でしたが、答えにもやはりマイナスの符号が付いています。

しかし、「問題文にマイナスの符号が多い=答えの符号もマイナス」と考えるのは短絡的です。

どうして答えの符号がマイナスになるのか、しっかり理解するためにも、次の「ポイント」を読んでみてください。

ポイント

この問題のポイントは、「問題に登場する負の数の個数」です。

負の数が登場する掛け算と割り算には、次のようなルールがあります。

<負の数の個数と答えの符号のルール(掛け算・割り算の場合)>
・負の数の個数が奇数→答えは負の数
・負の数の個数が偶数→答えは正の数

このルールは、次の計算ルールに基づいたものと考えてください。

・同符号どうしの掛け算・割り算の答え→正の数になる
・異符号どうしの掛け算・割り算の答え→負の数になる

例えば、(−2)×(−2)は同符号どうしの掛け算になるので、答えは正の数+4になります。

では、(−2)×(−2)×(−2)はどうでしょうか?

最初の(−2)×(−2)の答えが正の数の4になるため、「4×(−2)=異符号どうしの掛け算」となり、答えは負の数になります。

このように、二つの負の数がペアになった掛け算・割り算からは、正の数の答えが生まれます。

そのため、計算式の中に偶数個の負の数が登場すれば、答えは正の数になるのです。

一方で、負の数が奇数個ある計算式の場合、ペアになれない負の数が必ず一つ出てしまいます。そのため、答えは負の数になります。

では、改めて問題を見てみましょう。

(−8)×(−3)÷(−12)

この問題では、負の数が三個、つまり奇数個なので、答えは負の数になります。

(−8)×(−3)÷(−12)
=−(8×3÷12)←答えは負の数になるので先にマイナスを付ける
=−(24÷12)
=−2

このように、計算ルールに従うことで、−2という答えが導けます。

まとめ

今回の問題はいかがでしたか?

負の数の混じった掛け算・割り算では、登場する負の数が偶数個であれば答えは正の数、奇数個であれば答えは負の数になります。

ただし、この計算ルールはあくまで掛け算と割り算に関するものです。足し算や引き算で負の数の登場回数を調べても、答えの符号とは関係ありませんから注意してくださいね。

ぜひ他の問題にも挑戦して、負の数の計算に慣れましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


負の数の計算にもう一問挑戦!

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