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大人が意外と答えられない算数「72×78」→暗算できる?

  • 2024.9.23
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九九は多くの人が暗記しているはずです。

では、二桁の数どうしの掛け算になるとどうでしょうか。

電卓で計算したり、筆算で計算をする方が多いかと思います。この計算を暗算ですることができれば、とても便利ですね。

今回は、二桁の数どうしの掛け算を暗算でする方法を紹介します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
72×78

暗算では難しいと感じるかもしれませんが、「インド式計算法」を利用すれば簡単に答えを出すことが可能です。

まずは、自分自身で答えを出してみましょう。

解説

今回の問題の答えは「5616」です。

ここでは、インド式計算法を用いた考え方を紹介します。

「インド式計算法」の中には、計算式をパターンごとに分けて簡単な計算式に変換する方法があります。

今回の計算式には、次のようなパターンが当てはまります。

掛け算をする二つの数は、「十の位が同じで、一の位の数の和が10」である。
(72と78は、十の位が共に7、一の位は2+8=10)

この性質を満たす二つの数の掛け算であれば、これから紹介する手順で求めることが利用できます。

計算の手順

計算の手順は次のとおりです。
(カッコ内の計算は、今回の問題の数字を使っています。)

【手順1】
十の位の数と、十の位の数に1を足した数を掛け算する。
(十の位は7なので、7と8を掛け算。7×8=56)

【手順2】
一の位同士の掛け算をする。
(2×8=16)

【手順3】
手順1、2で出た答えを並べると、元の計算の答えになる。
(56と16なので、答えは5616)

繰り上がりなどもなく、簡単な九九の計算だけで答えを出すことができました。

計算式が成り立つ理由

ここでは、インド式計算法が成り立つ理由を考えてみましょう。

知らなくても計算は可能ですが、理由まで知っていると計算ミスを減らすことができます。

今回は面積図を用いて考えます。

「72×78」の計算は、縦72m、横78cmの長方形の面積を求めるのと同じです。

その長方形を下図のように4つに分割しましょう。

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手順1では、「十の位の数と、十の位の数に1を足した数を掛け算する」ということをしました。

これは2×70の長方形を向きを変えて、8×70の長方形の横に置き直す操作に対応します。

すると、下図のように、大きな長方形(赤枠)の横の長さが78+2=80cmとなっています。

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よって、赤枠の長方形は「70×80」であり、「7×8」という手順1と対応しています。
(70×80=5600ですが、手順3で桁の調整をしています)

次に、黄色の長方形の面積を求めます。(手順2の計算)
2×8=16

そして最後に、それぞれの長方形の面積を足すと、答えとなります。
5600+16=5616
(手順3では、それぞれの数を並べると考えています)

まとめ

慣れるまでは計算の手順が複雑に感じるかもしれません。

しかし、通常の筆算より手順が少なく、計算も簡単なので、計算がとても楽しくなるはずです!

ぜひ練習を繰り返してマスターしましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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