算数や数学の定番問題には、すばやく答えを求めるためによく使われる解法があります。
ただ、どうしてそうなるのかという理由を曖昧なままにしていると、応用的な問題で足元をすくわれてしまうかもしれません。
問題
√(−9)^2を根号を使わずに表してください。
解答
正解は、「9」です。
−9と答えてしまった人は、解法を勘違いして覚えているのかもしれません。
次の「ポイント」で正しい解法を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「√(ルート)の意味」です。
「√aは二乗するとaになる数のこと」と思っていませんか?
実はこの表現には問題があります。
なぜなら、√aとは「二乗するとaになる正の数のこと」だからです(a>0のとき)。
例えば√4は2のことであり、−2のことではありません。
さて、√の外し方の解法として、よく使われる次の式があります。
√a^2=a
√の中が何らかの数の二乗であった場合、√と^2を取り除いてやれば根号を使わずに表現できるという便利な式です。
例
√16=√4^2=4
ただし、この解法が使えるのは「a>0のとき(aが正の数のとき)」という条件を忘れてはいけません。
正しい式
√a^2=a (a>0のとき)
今回の問題は、√(−9)^2という、a<0形をしていました。
では、どうやって解いたらよいのかというと、次の方法があります。
中の二乗を計算してから根号を外す
√(−9)^2=√(−a)^(−a)=√81=9
なお、√と混同されがちなものに「平方根」があります。
aの平方根とは、二乗するとaになる数のことです。a>0のとき、aの平方根は√とは違い、正の数と負の数の二つがあります。
例
4の平方根=2と−2
√4=2
a>0のとき、aの平方根は正と負の二つの数、√aはそのうちの正の数のみを表します。
このことはとても重要なので、覚えておきましょう。
まとめ
今回の問題では、√の意味を理解しているかどうかがポイントになりました。
√は平方根とは違い、負の数を含みません。
√a^2=aという解き方を覚えるときは、「a>0」という条件も一緒に覚えてください。
もしa<0ならば、a>0の形にしてから√a^2=aを使いましょう。
ルートと平方根の違いがポイントになる問題は他にもありますので、ぜひ挑戦してみてください。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
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