数学で登場する言葉の多くは、生活の中ではあまり使うことがないもの。
大人になってからしばらくたつと、すっかり忘れてしまっているという人も多いかもしれません。
では、「素因数分解」という言葉を覚えていますか?
今回の問題を解きながら、思い出してみましょう。
問題
2000を素因数分解してください。
解答
正解は、「2×2×2×2×5×5×5(2^4×5^3)」です。
答えを出すための方法がすぐ思いついたでしょうか。
上手く計算すれば、とても早く素因数分解を終えられます。
次の「ポイント」で解法を確認してみてください。
ポイント
この問題のポイントは、「素数で割り切れる数の特徴」です。
まず、素因数分解とは何かを確認しましょう。
素因数分解とは、正の整数を素数の掛け算の形で表すことです。
素数とは、1と自分自身でしか割り切れない数のこと。10までの素数には、2,3,5,7があります。なお、1は素数には入りませんので注意してください。
素因数分解のスタンダードな手順は、正の整数が2,3,5,7などの素数で割り切れるかどうかを順番に確認していくというものです。
このとき役に立つのが、各素数で割り切れる数の判定条件です。特に、以下のの条件は非常に重宝しますので、ぜひ覚えてください。
- 2で割れる数→ 一の位が2で割れる
- 3で割れる数→ 全桁の数字の合計が3で割れる
- 5で割れる数→ 一の位が0または5
では、早速2000を素因数分解していきましょう。
まず、2000は一の位0が2で割れるため、2の倍数であることはすぐにわかります。まずは2×〇の形に分解してみましょう。
2000=2×1000
次に現れた1000も同じく2の倍数の特徴を持ちますので、2×■の形に分解できます。この流れを2で割れる数が登場する限り繰り返していきます。
2000
=2×1000
=2×2×500
=2×2×2×250
=2×2×2×2×125
最後に登場した125の一の位は2で割り切れないため、2で割るのはここでおしまいです。
125には、2の次の素数3で割り切れる数の特徴もありません。ただ一の位が5なので、5で割り切ることはできます。
よって、今度は125を5×●の形に分解していきましょう。こちらの流れも、5の倍数が登場する限り繰り返します。
2×2×2×2×125
=2×2×2×2×5×25
=2×2×2×2×5×5×5
これで、2000を素数の掛け算の形で表現することができました。
なお、素因数分解を効率よく行うには、以下の画像のような計算がよく使われます(割り算の筆算を逆にしたような形です)。
別解
2000のように10の倍数だとすぐわかる数なら、次のように分解していっても良いでしょう。
2000
=2×1000
=2×10×10×10
=2×2×5×2×5×2×5
=2×2×2×2×5×5×5←同じ数の塊になるように順番を入れ替える
まとめ
今回は、素因数分解の問題に挑戦しました。
素因数分解では、「素数で割り切れる数の特徴」をうまく使うことがポイントになります。
2,3,5で割り切れる数の特徴は確実に覚えておきましょう。
素因数分解に関連する問題は他にもあります。ぜひ引き続き挑戦してください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社カルチャー・プロ(公式HP / インスタグラム)
「誠実なモノづくり」を信条とし、高い専門性を有する編集者が幼児から大人向けまで幅広い年代に向けての学習教材を制作する編集プロダクション。家庭や学校、塾などで日々使われている教材だけでなく各種テストや教養系の一般書などを制作。社会や教育を取り囲む環境の変化に対応するため、新しい技術にも着目し、教育業界の未来も模索しながら、下支えしている会社。社内はフラットに意見が言い合える雰囲気で、パートナー、クライアントからの信頼も厚い。
素因数分解の問題にもう一問挑戦!