秋になると桃やぶどう、りんごなど、さまざまな果物が旬を迎えますよね。街中にもおいしそうなフルーツがたくさん販売されていて、思わず見惚れてしまった、なんて方も多いかもしれません。
しかし…せっかく買ったおいしそうな秋の果物が、いつの間にか悪くなってしまっていた…なんてご経験はありませんか?どうせなら、最後までおいしくいただきたいものですよね。
そこで今回は、管理栄養士である若山あみさんに直撃インタビュー!「“秋の味覚”のNG保管方法(果物編)」を教えていただきました。
質問1.秋に旬を迎える果物は?
---まずはじめに、秋に旬を迎える果物を教えていただけますと幸いです。
「秋(9〜11月)に旬を迎える果物には、桃、ぶどう、いちじく、梨、りんご、柿、栗などがあります」
---ぶどうやりんごはよく知られていると思いますが、桃やいちじくも秋に旬を迎えるのですね!では次に、それらの中で、常温保存に適したものと、冷蔵保存したほうがよいものをそれぞれ教えてください。
「常温保存に適した果物は、りんご、桃、柿です。りんごは保存の適温が10〜15℃なので、涼しい季節であれば常温で保管してください。長く保管したい場合は5℃前後での保管がオススメなので、その場合は野菜室で保管しましょう」
---りんごは保存期間に応じて場所を変える必要があるのですね。桃や柿はいかがでしょうか?
「桃や柿なども常温で保管しましょう。特に、購入した際にまだ固い場合は、常温の方が追熟を促すエチレンガスがたくさん出るため、追熟を早めることができます。食べごろになったら冷蔵庫で冷やして食べましょう」
---なるほど!では、冷蔵保存に適した果物にはなにがありますか?
「冷蔵保存に適した果物は、梨、ぶどう、いちじくです。梨は1個ずつラップをして乾燥を防ぎ、おしりを上にして冷蔵庫で保管しましょう」
---ラップに包むだけでなく、向きにも気をつける必要があるのですね…!ぶどうやいちじくはいかがでしょうか?
「ぶどうやいちじくはとてもデリケートな果物です。乾燥を防ぐためにキッチンペーパーで包み、保存容器やポリ袋に入れて保存します。ぶどうの場合は洗わずに保管し、食べる直前に洗って食べましょう」
---今までそのまま冷蔵庫に入れていましたが、今後は気をつけたいと思います…!
質問3.皮を剥いた果物を保存する際、気をつけるべきことは?
---梨やりんごや桃など、皮を剥く果物は食べるまでに一手間かかります。皮を剥いてから冷蔵庫で保存する人も多いと思いますが、その際の注意点を教えてください。
「皮を剥いてから時間が経つと、茶色く変色してしまうことはありませんか?」
---たしかに!何度か見かけたことがあります。
「これは、果物に含まれるポリフェノールが、カットした切り口から空気中の酸素に触れ、酸化酵素と反応することによって起こる現象です」
---どうすれば防ぐことができますか?
「果物の変色を防ぐためには、塩水、砂糖水、レモン汁のいずれかに浸すことが効果的です。反応を抑えて変色を遅らせることができます。また、皮を剥いてカットした状態の果物は、空気に触れる面積が多く傷みやすいため、なるべく早く食べるようにしましょう」
---肝に銘じます…!
質問4.ぶどうにはさまざまな種類があるけれど、それぞれに適した保存方法は?
---デラウェアのような小粒なものから、巨峰のような大粒のものまで、さまざまな種類のあるぶどうですが、それぞれ適した保存方法を教えてください。
「デラウェアのような小粒のぶどうは、房ごとキッチンペーパーで包み、保存容器に入れ冷蔵庫で保管します。この時、傷んでいる粒があれば、必ず取り除いてください。また、ぶどうは洗わないでくださいね」
---大粒のぶどうはどのように保存したらよいでしょうか?
「巨峰のような大粒のぶどうは、まず枝を2〜3mmほど残して実をひとつひとつハサミで切り離します」
---小粒のぶどうとははじめの工程から違うのですね!
「次に、フタ付きのタッパーにキッチンペーパーを敷いて、枝が上になるように実を並べます。さらに上からキッチンペーパーを被せてフタをし、冷蔵庫で保管してください。大粒ぶどうの保存ポイントは、洗わないことと、実を枝からむしり取らないことです。
---大粒のぶどうは、小粒のものに比べて保存する上で注意が必要なのですね…。詳しくご説明いただきありがとうございました!
旬の果物をおいしく楽しもう!
今回は、管理栄養士である若山あみさんに「“秋の味覚”のNG保管方法(果物編)」を教えていただきました。少々手間がかかるものもありますが、旬の果物をおいしく楽しむために、ぜひ取り組んでみてくださいね。
監修者:若山あみ
愛知県尾張旭市「あさひの森内科消化器クリニック」にて管理栄養士として勤務。クリニックでは保険診療で栄養指導を行う傍ら、ダイエット外来も担当。クリニックには美容皮膚科美容内科もあり、日々、食と健康と美について探求している。
HP:https://sunrise-woods-clinic.com/