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「びっくりしすぎて声が出た」SnowMan・深澤辰哉“冬月”まさかの姿に衝撃…木曜ドラマ『わたしの宝物』

  • 2024.10.31

木曜ドラマ『わたしの宝物』のテーマは“托卵”。松本若菜演じる神崎美羽が、幼馴染の冬月稜(深澤辰哉)と再会し、二人の間には子どもが宿る。同日に夫・宏樹(田中圭)とも望まない行為を重ねていた美羽は、妊娠について「あなたの子よ」と偽る。センセーショナルな1話から、2話は宏樹のモラハラ気質について迫る内容に。

田中圭だからこそ演じられる宏樹の二面性に、SNSは「田中圭だからこそできる役」「演技力に脱帽」「惹き込まれた」と言った声が届き、「宏樹、自分の子じゃないと知ってしまったらどうなるの?」と盛り上がりを見せている。また、死亡と思われていた冬月の姿が映し出され、「びっくりして声が出た」など衝撃を受けた視聴者も続出した。

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(C)SANKEI

田中圭だからこそ演じられる宏樹の“二面性”

宏樹が美羽に向ける言動は、終始、厳しい。1話の冒頭、会社の部下を引き連れて帰宅した宏樹は和やかで優しく、モラハラ夫の片鱗さえも見えなかった。

しかし、彼らのために酒やつまみを用意した美羽に対する労いや感謝はない。あまつさえ、夜遅くに客を連れてくることについて美羽が少し意見をしただけで「誰かに文句言われたか?」「たった2時間くらいで」と、すげない態度をみせる。

ここで視聴者はさっそく、夫婦仲が冷え切っている現状と、宏樹がモラハラ夫である一番の特徴(外面はすこぶる良く、身内に対しては逆の態度を示す)を見せつけられるのだ。

2話にかけても、宏樹のモラハラは止まらない。基本的に、美羽の存在はないものとして、邪険に扱い、蔑ろにする。美羽が話をしようとしても、不機嫌さを全面にアピールし、不都合なことからは逃げようとする。

なぜ、結婚当初はお互いを思いやっていた美羽と宏樹が、ここまで冷戦状態になってしまったのか。それには、宏樹の職場での待遇が関係していた。宏樹は決して、仕事ができずに敬遠されるタイプの社員ではない。

しかし、仕事ができるのに加え、人当たりの良い性格が逆効果となり、上司や部下から“都合の良い人”と捉えられてしまっているのだ。明確な意思を持った疎外、とまでは言えない。しかし、曖昧な人間関係に気を遣いすぎている宏樹は、朝に出社できなくなるほどメンタルに負荷を感じている。

職場で気を遣いすぎている宏樹が、美羽に対し「家でも気を遣わなきゃいけないのか」と口にしていた理由が、よくわかる。自宅に部下たちを連れて接待するのも、良い先輩でいたいという見栄と、断りきれない優柔不断さと善良さがあらわれた結果にみえる。

職場でのストレスが、そのまま美羽へのモラハラ発言に繋がっている構造が浮き彫りになった。ドラマの設定としてはベタにも感じるが、田中圭だからこそ表現できる、言葉にしにくい感情の機微が映えている。

誰が正しい?思惑が交差し始める3話

宏樹の職場での境遇が細やかに描かれた2話では、同時に美羽の幼馴染・冬月の生存も仄めかされた。

フェアトレードの会社を経営している冬月は、新しい学校を建設するためにアフリカに渡り、現地での事件に巻き込まれて死亡した報せが届いたばかり。

しかし、2話の終盤、ベッドに寝かされていたのは冬月だった。ともに事件に巻き込まれた同僚男性と、身分が入れ替わってしまったようにみえる。それに加え、同じく会社を切り盛りしてきた水木莉紗(さとうほなみ)が冬月の身分を偽り、さも「冬月が生存していることを隠したがっている」ように受け取れるシーンも。

冬月に思いを寄せていた莉紗は、事件が起こる直前、彼に美羽という大切な人がいることを知ってしまった。単純に考えれば、彼が生きていることを隠しておけば、美羽に真実を知られることなく秘密裏に生きていける。冬月と二人で人生を歩んでいける。

しかし、一歩踏み込んで冷静に考えれば、そんな利己的な希望は打ち砕かれることに気づくだろう。冬月が目を覚ませば、莉紗の思惑が知られる。彼は何を置いても、美羽に会いに帰国しようとするはずだ。莉紗の行動は、彼に好意を持つがゆえの、冷静さを欠いたものだった。

10月31日に放送される3話では、さらに多くの思惑が交差していくはず。まだ明かされていない真実と、絶対に隠し通さねばならない秘密。ハッピーエンドが想像できないこのドラマに、希望を見出したくてたまらない。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_