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アンジャッシュ渡部、手越祐也、藤本敏史が“ギリギリのお題”に挑む『トークサバイバー!』最終章、続編に期待の完成度

  • 2024.9.6

Netflixで配信中の大人気トークバラエティ『トークサバイバー!〜トークが面白いと生き残れるドラマ〜』の完結編が配信された。本編で出演者の千鳥・大悟が言っていたように、これまでの集大成となるかもしれない『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』は、いろいろな意味で新しく、これまでにない展開も含まれている。ポイントを2つに絞って『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』の魅力に触れたい。

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Netflixシリーズ『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』独占配信中

千鳥・ノブが黒幕?ちょっと新しい展開

『トークサバイバー!』シリーズは、お笑いコンビ・千鳥を筆頭に、その時期に旬の芸人やおもしろさに定評のあるメンバーが集結し、トークでサバイバルを繰り広げるバラエティ番組だ。それぞれがお題に合わせたエピソードトークを披露し、おもしろくないと判断された者は即脱落。裏ではドラマパートと呼ばれる物語が進行しており、メンバーはそれに合わせた演技や衣装も披露している。

テレビプロデューサーの佐久間宣行氏が企画演出・プロデュースを手がける本番組、2022年にシーズン1が配信されるや否や、企画の斬新性はもちろん、トークのおもしろさやドラマパートの作り込み、出演俳優の豪華さ、撮影が進むにつれトークのネタが尽き、疲弊していくメンバーの様子などが話題になった。

2024年9月3日に配信された『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』は、シーズン1やシーズン2の物語を引き継いでおり、あの要素がここに繋がるのか! と意外な驚きを連れてきてくれる。これまでの集大成であり、完全版であることをタイトルからも仄めかしているが、ラストシーンまで見届けた方なら、あと数年後にリバイバル版があっても不思議ではない、と思うような内容になっている。

お笑いトリオ・パンサー向井慧が衝撃的な告白をしたことで、文句なしの伝説的なファイナリストになった結末が眩しかったシーズン1。最新の『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』でも、少しずつ新しい展開が試みられている。ネタバレにならない程度に挙げるなら、コメンテーター側(千鳥・ノブがいる側)がドラマパートに巻き込まれるくだりだ。

これまでのシリーズでも、物語の鍵を握る黒幕的存在は、実は高みから見物しているノブなのでは? と思わせる描写があった。今回もところどころで匂わせがあるのだが、直接ノブがドラマパートに出演することはなかった。

しかし今回、これまでにはなかった“とある仕掛け”がある。ノブではなく、もう一人、一緒に物語やトークを見守っている滝沢カレン、秋元真夏のどちらかが、物語に深く関わることになるのだ。このちょっとした新しい仕掛けに意味はあるのか、それとも。

手越、渡部、藤本……地上波では絶対に叶わない布陣

『トークサバイバー!』の代名詞とも言えるような演出として、過去にトラブルやスキャンダルを起こしてしまい、地上波のテレビ番組には出演していない立場にいるタレントが登場する、といったものがある。

『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』でも例に漏れず、地上波では絶対に叶えられない面々が出演。お笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建や、同じくお笑いコンビ・FUJIWARAの藤本敏史、ソロアーティストとして活躍中の手越祐也など、まさにこの番組でしかできない手法でトークサバイバルに一役買っている。

「アンジャッシュ渡部が食レポで絶対に言ってはいけないこと」「手越祐也がインタビュー中に絶対に言ってはいけないこと」などのお題で、渡部や手越がそれぞれギリギリなセリフを言わされる大喜利大会がスタート。

渡部の食レポパートでは、正気のない目で食事の感想を言い、「早くカットかけろよ!」と裏にいるスタッフに怒る渡部の様子がリアルで笑いを誘う。また手越のインタビューパートでは、架空のドラマ出演にまつわるインタビューに応じる手越が「今回のドラマの見どころは?」と質問され、キラキラの笑顔で「ほぼ金八です!」と答える様子など、メンバーからも「言い方が素晴らしい」と絶賛が続いた。

そして物語の舵を大きく切る回で登場し、トークサバイバルに参加したのはFUJIWARA藤本。とあるお題に沿って涙ながらに思いの丈をぶつけるトークには、笑いはもちろん、人間愛に似た感情さえ抱くかもしれない。

NetflixをはじめとするVODサービスが充実し、人が楽しめる映像コンテンツは爆増し続けている。それに比例するように、インターネット配信と地上波で制作できる番組の種類や質も、それぞれの特徴を見せ始めているのではないか。

インターネット配信でできることと、地上波でできること。『トークサバイバー!』シリーズは、斬新な企画のうえに「インターネット配信だからこそできること」を研ぎ澄ませた要素を積み上げ、純度高く仕上げられているコンテンツの一つと言えるのかもしれない。さらなる続編を期待しているのは、一人や二人ではないはずだ。



Netflixシリーズ『トークサバイバー! ラスト・オブ・ラフ』
[出演]ノブ、大悟、劇団ひとり、小木博明 ほか
[配信]Netflixにて独占配信中

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_