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大人が意外と暗算できない算数「92×86」

  • 2024.8.27
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「インド式計算法」というのは、効率よく答えを導き出す考え方の一つです。

今回はその中でも、日常でも使える計算方法を紹介します。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
92×86

暗算で求めるのは難しいように思えますが、どのように計算すればいいのでしょうか。

まずは自分自身で答えを出してみましょう。

解説

今回の問題の答えは「7912」です。

ここではインド式計算法を用いた計算方法を紹介します。

インド式式計算法では、「どのような計算式か」によって、計算方法のパターンが異なります。

今回は、以下の条件のときに使用できます。

二つの数が、ある「10の倍数」の数に近いとき。
※「92×86」の計算では、二つの数が共に「90」に近い。
※暗算で求めることを考慮すると「±5」程度の数がおすすめです。

今回は「92×86」の場合を考えていきます。

【手順1】
ある10の倍数を基準にして考え、その数との差を求める。(大きい数は+、小さい数は−とする)
今回は90を基準にする。
92−90=+2(92は90より2大きい)
86−90=−4(86は90より4小さい)

【手順2】
手順1で求めた二つの数を足し算し、基準の数を掛ける。
(+2)+(−4)=−2
−2×90=−180

【手順3】
基準の数を二乗して、手順2で求めた数を足す。
90×90=8100
8100+(−180)=7920

【手順4】
手順1で求めた二つの数を掛け算し、手順3で求めた数に足す。それが答えとなる。
(+2)×(−4)=−8
7920+(−8)=7912

少し難しく感じるかもしれませんが、何度か練習すれば正しく答えが出せるようになるはずです。

計算が成り立つ理由

なぜこのような計算が成り立つのか疑問に思った方もいるかもしれません。

ここでは、計算が成り立つ理由について考えてみましょう。

そのためには中学校で学習する「展開公式」を利用します。

(X+a)(X+b)= X^2 +(a+b)X+ab

基準となる10の倍数をXとして、その数よりいくら大きいか小さいかを考えます。

「92×86」の計算では
基準となる10の倍数を90(X=90)、
92は90より2大きい(a=+2)
86は90より4小さい(b=−4)
としてます。

公式に当てはまると、次のようになります。

(90+2)(90−4)
=90^2 +(2−4)×90+(+2)×(−4)
=8100+(−180)+(−8)
=7912

先ほどと同じ答えとなり、インド式計算法の手順も正しいことが分かります。

まとめ

10の倍数に近い数どうしを掛け算する方法を紹介しました。

ぜひ繰り返し練習をして、日常生活でも活用しましょう!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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