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大人が意外と解けない算数「397×398」→暗算できる?

  • 2024.8.19
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三桁の数どうしの掛け算となると、暗算で答えを求めるのは難しいような気がします。

しかし、ある条件のときには暗算でも簡単に計算することが可能になります。今回はそのような問題に挑戦してみましょう。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
397×398

ポイントは、二つの数がともに「400に近い」ということです。

どのように計算すれば良いのでしょうか。

解説

今回の問題の答えは「158,006」です。

ここでは、インド式計算法を用いた計算の仕方を紹介します。

以下の条件に当てはまる数の場合に利用が可能です。

二つの数がともに「100の倍数の数」に近い場合
(今回の397と398は、ともに400に近い数)

計算は次のような手順で行います。

【手順1】
「100の倍数」とそれぞれの数との差を求める。
400−397=3
400−398=2

【手順2】
「100の倍数」を二乗する。
400×400=160,000

【手順3】
手順1で求めた二つの数を足し、「100の倍数」を掛ける。
(3+2)×400
=5×400
=2,000

【手順4】
手順1で求めた二つの数を掛ける。
3×2=6

【手順5】
(手順2の数)−(手順3の数)+(手順4の数)を計算する。これが答えとなる。
160,000−2,000+6
=158,000+6
=158,006

慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、手順を覚えてしまうと通常の筆算より簡単にできるはずです。

何度か繰り返し練習を行ってみると良いでしょう。

計算が成り立つ理由

ここでは、上記の計算が成り立つ理由について考えてみましょう。

知らなくても計算は可能ですが、これを知っていると更に深く算数・数学を理解できるようになります。

今回の問題では、次の展開公式を利用しています。

(X−a)(X−b)=X2−(a+b)X+ab

「397×398」の計算では、二つの数がともに400に近い数なので、以下のように考え、公式に当てはめます。

397×398
=(400−3)(400−2)
=400^2−(3+2)×400+3×2

400^2が手順2の計算
(3+2)×400が手順3の計算
3×2が手順4の計算
と、それぞれ対応する計算が現れていることが分かります。

まとめ

三桁の掛け算の中でも、二つの数がともに「100の倍数の数」に近い場合に今回の計算が可能です。

ぜひ繰り返し練習し、この計算方法を習得しましょう!

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


次は、二桁の数どうしの掛け算に挑戦!

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