九九は小学校で習うため、多くの方がすぐに計算できるでしょう。
しかし、掛け算の数が二桁になると、少し難しく感じることもあるかもしれません。
数によっては、電卓を使いたくなることもあるでしょう。
そこで今回は、二桁の数どうしの掛け算を暗算で素早く計算する方法をご紹介します。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
33×35
まずは自分自身で計算してみましょう。
正しい答えを出すことができるでしょうか。
解説
今回の問題の答えは「1155」です。
ここではインド式計算法を用いた計算方法を紹介します。
紹介する計算方法は、「二つの数の十の位の数が等しいとき」に利用可能です。
※今回の問題では、33と35なので十の位の数が共に3。
どのように計算するのか、その手順を確認していきましょう。
【手順1】
一方の一の位の数を、もう一方に渡す。
(33の3を、35に渡して、「30と38」と考える)
【手順2】
手順1の数を掛け算する。
(30×38=1140)
【手順3】
元の数の一の数を掛け算する。
(3×5=15)
【手順4】
手順2、手順3で求めた数を足すと、これが答えとなる。
(1140+15=1155)
手順2の計算が慣れないと難しく感じるかもしれません。
しかし「×30」としたことで、元の計算に比べると簡単になったはずです。
このように「10の倍数」が作れると、計算がしやすくなりますね。
計算法が成り立つ理由
ここでは、上記の計算方が成り立つ理由を数学的に証明をしてみましょう。
知らなくても計算することは可能ですが、理由まで知っていると計算ミスを減らすことが可能です。
今回の計算は、「二つの数の十の位が等しいとき」に利用可能なので、二つの数を次のようにします。
10a+b
10a+c
これらの掛け算なので、以下のように計算します。
(10a+b)(10a+c)
=(10a)^2+10ac+10ab+bc
=10a(10a+c+b)+bc
もともと「10a+b」と「10a+c」の掛け算でした。
それが「10a(10a+b+c)」となり、一の位を渡し、掛け算をする計算になっています。(手順1、手順2)
また、「bc」の部分は手順3を表しています。
以上より、計算の手順が正しいことが分かります。
まとめ
慣れないうちは、インド式計算法は難しく感じるかもしれません。
しかし、何度か練習を繰り返すことで、通常の計算より、早く正確に答えを出せるようになるでしょう。
ぜひ日常生活での活用してください!
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
インド式計算にもう一問挑戦!