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意外と間違える大人が多い「1.7+2.7÷0.9」→正しく計算できる?

  • 2024.8.21
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小数の割り算の計算ルールを覚えていますか?

小学生のときは計算できたという人も、久しぶりに計算しようとすると手が止まってしまうかもしれません。

計算ルールを忘れないコツは、丸暗記に頼るのではなく「どうしてそうなるのか」を理解することです。

今回の問題に挑戦して、小数の割り算の計算ルールを「理解」してみませんか?

問題

次の計算をしてください。
1.7+2.7÷0.9

解答

正解は、「4.7」です。

うっかり2.0と答えてしまった人はいないでしょうか?

これは小数の割り算の計算ルールが曖昧になっているからかもしれません。

例えば、2.7÷0.9を2.7÷9として計算してしまうのは間違いです。

次の「ポイント」で、正しい計算方法を確認してみましょう。

ポイント

今回の問題は、小数の割り算における小数点の移動の仕方がポイントになります。

改めて今回の問題を見てみましょう。

式は足し算からスタートしていますが、計算のルール上、割り算は足し算より優先して計算しなければなりません。

よって、まずは2.7÷0.9から計算します。

1.7+2.7÷0.9

2.7÷0.9を筆算で計算すると、次のようになります。

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1.割る数を整数にするために小数点の位置をずらす
2.1と同じ桁数分だけ割られる数の小数点の位置もずらす
3.割り算する

今回の問題では、0.9が割る数なので小数点を右に一桁分ずらし9にします。

次に割られる数2.7の小数点も右に一桁分ずらし27にします。これで計算式は27÷9になり、計算しやすくなりました。

では、計算の過程をまとめてみてみましょう。

1.7+2.7÷0.9
=1.7+27÷9
=1.7+3
=4.7

割り算の筆算の仕組み

さて、これで問題は解けましたが、「割り算ではどうして割る数と割られる数の小数点の位置をずらして計算してもよいの?」と疑問を感じる人もいるでしょう。

この理由は、割り算を分数の形で表現すると分かります。

割り算は、割られる数/割る数の分数としても表現できます。

2.7÷0.9ならば、2.7/0.9です。

分数には、分母と分子に同じ数を掛けても表現している数は変わらないという特徴があります。

よって、分子と分母両方に同じ10の倍数を掛けて桁上げする(小数点を右にずらす)操作をしても、2.7/0.9が表現している数、すなわち割り算の内容は変わらないのです。

では、割り算を分数で表現した以下の式を見てください。

2.7÷0.9
=2.7/0.9
=(2.7×10)/(0.9×10)
=27/9
=27÷9

2.7÷0.9が27÷9と等しいことが理解できたのではないでしょうか。

小数の割り算の計算ルールが成り立つ理由を知ることで、「割る数のみ小数点を移動してしまった」というミスは少なくなるでしょう。

まとめ

今回の問題では、小数の割り算の計算ルールがポイントになりました。

小数の割り算では、割る数、割られる数の小数点を同じ桁数分だけ移動することを忘れないようにしましょう。

割り算を分数として表現すれば、どうして双方の小数点を移動しなければならないのかが理解できるはずです。

小数の計算ルールが曖昧になっていると感じた人は、ぜひ他の問題にも挑戦して知識を確認してみましょう。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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