引き算の計算は、足し算よりも面倒だと感じている人は多いのではないでしょうか。
繰り下がりがあると、特に大変さがアップしますよね。
しかし、うまく工夫してみると繰り下がりなしで引き算の計算ができるようになります。
ぜひ、今回の問題に挑戦してやり方を確かめてみましょう。
問題
次の計算を暗算でしてください。
321−293
解答
正解は、「28」です。
筆算で計算しようとすると繰り下がりが多くなりますが、工夫すると暗算でも楽に答えが出ます。
では、その方法とは?
気になる人は、次の「ポイント」を確認してください。
ポイント
この問題のポイントは、繰り下がりを回避する計算方法です。
数式の形を変形して繰り下がりを回避しましょう。
コツは、引く数を引きやすい形に変えてやること。
今回の問題でいえば、293という数を321から引きやすい数に変えます。
さて、繰り下がりを起こさない引く数と言えば、0です。
どんな数であれ、引く数が0だったら繰り下がりは起こりません。
では、今回の問題を改めてみてみましょう。
321−293
十の位の引き算(2−9)と一の位の引き算(1−3)で繰り下がりが発生することが分かりますね。
よって、十の位と一の位が0になり、かつ293という元の数と近くなる300を使って引き算をすることにしましょう。
321−293→321-300に変形
もちろん321−293と321−300は同じ計算式ではありません。
前者に対して、後者は7を多めに引いてしまっているからです。
そこで後から余分に引いた(300と293の大きさの違いである)7を足して調整します。
これで、計算式の意味はもとの式と変わらなくなります。
具体的には、次のような変形を行い、計算します。
321−293
=321−300+7
=21+7
=28
321−300は繰り下がりのない引き算、そして21+7は単純な足し算です。
式の変形によって、簡単に答えが出せました。
まとめ
今回の問題では、引き算の繰り下がりを回避しながら答えを出す方法を紹介しました。
繰り下がりのない形に式を変更することで効率的に計算ができるようになったのではないでしょうか。
計算が簡単になると、計算ミスも減らせます。
「この方法、面白い!」と思った人は、他のインド式数学の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
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