最初こそイメージのしやすい簡単な計算を行う算数ですが、学年が進むごとにだんだん内容が難しくなります。
特に、分数や小数の計算はルールが難しく、子どものころ苦手に感じていたという大人も多いのではないでしょうか。
では、大人になった今、小数の割り算に挑戦したらどう感じるでしょうか?
やはり難しく感じるかどうか、今回の問題に挑戦して確かめてみてください。
問題
次の計算をしてください。
0.11÷0.1
解答
正解は、「1.1」です。
正しい答えが出せたでしょうか?
小数点の位置を間違えてしまった、という人は、小数の割り算のやり方があやふやになっているのかもしれませんね。
次の「ポイント」で、小数の割り算のやり方を確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、小数の割り算における小数点の扱い方です。
割り算において、割る数が小数であるときは、その小数が整数になるように10の累乗を掛けて桁上げを行います。
今回は、割る数が0.1なので10を掛けます。
このとき、割られる数も同じだけ桁上げを行うのがポイントです。
0.11÷0.1
=0.11×10÷0.1×10←小数の桁上げをするときは、小数点を左に桁数分ずらせばOK
=1.1÷1
÷1をしても割られる数は変化しません(分割されない)から、この問題の答えは1.1になりますね。
1.1÷1
=1.1
桁上げして計算してもよい理由
しかし、割られる数や割る数の桁を勝手に上げて計算してしまうと、もとの割り算の意味と変わってしまうのではないでしょうか?
その心配は無用です。
理由は、割り算を分数として表現すると理解できます。
割り算は、割られる数/割る数という分数の形で表現することが可能です。今回の問題も分数の形に直してみましょう。
0.11÷0.1
=0.11/0.1
分数は分子と分母に同じ数を掛けたり、分子と分母を同じ数で割ったりしても表現している数が変わりません。
通分や約分が成り立つのは、この特徴のおかげです。
3/6=(3÷3)/(6÷3)=1/2←約分
1/2+1/5=(1×5)/(2×5)+(1×2)/(5×2)=(5+2)/10=7/10←通分
0.11/0.1も分数ですから、以下のように分母と分子の両方を10倍しても、表現している数は変わりません。
(0.11×10)/(0.1×10)
=1.1/1
小数の割り算のやり方を忘れたときは、一度分数として表現してみるとよいですよ。
まとめ
今回の問題で、小数の割り算のやり方を思い出せたでしょうか?
割る数が小数だと計算がしづらいため、小数の割り算では、割る数が整数になるまで桁上げを行います。
このとき、割られる数も同じだけ桁上げをすることを忘れないようにしましょう。
両方を桁上げすれば、もとの割り算と表現している意味は変わりません。
小数の割り算に自信が出てきたという人は、ぜひもう一問小数の問題に取り組んでみてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
小数の割り算にもう一問挑戦!