今回は、様々な整数に関する問題を解くときに必要不可欠な「素因数分解」を復習していきます。
実は、この素因数分解というものは名称もその方法も、よく聞く「因数分解」と比べるとあまり知られてはいないものです。
しかし、素因数分解の考え方を主軸にして解く問題はとても多くあります。
これを覚えているか覚えていないかで、数学力が大きく変わりますよ。
問題
次の数を素因数分解しなさい。
3600
言葉の意味から、しっかりと整理しておきましょう。
解説
この問題の答えは「2^4×3^2×5^2」です。
素因数分解の意味とやり方を復習します。
素因数分解とは、ある自然数を素数の掛け算にして表すこと。
※自然数・・・0より大きい整数
※素数・・・1とその数でしか割り切れない自然数(ただし、1は除く。)
例えば6という数があったときに、6=2×3というように掛け算の形に分解します。
2と3はそれぞれ素数ですから、これで6を素因数分解することができました。
次に、12という数で12=2×6としてしまうと、6が素数ではないので、これは素因数分解できていません。
正しくは、12=2×2×3のように素数のみになるまで分解し、2×2の部分を累乗の考えでまとめた12=2^2×3が答えになります。
では、その素因数分解のやり方を復習します。
素因数分解のやり方
・ある数をできるだけ小さな素数で割る。
・その商をまたできるだけ小さな素数で割る。
・以上を繰り返していき、商が1になるまで繰り返す。
・割る数にしてきた素数を全て掛けて、指数や掛け算の形にする。
では、問題の3600を実際に素因数分解してみましょう。
まずは偶数が出なくなるまで最も小さい素数である2で割ります。
3600÷2=1800
1800÷2=900
900÷2=450
450÷2=225
商が奇数になったので、もう2で割ることはできません。
ここからは2の次に小さい素数である3や5、7で割れるかどうか試していきます。
225÷3=75
75÷3=25
これくらいまで小さい数になれば見当もつきやすいですね。
25÷5=5
5÷5=1
商が1になったので、割り算はこれで完了です。あとは割る数にしてきた素数を掛けていきます。
3600=2×2×2×2×3×3×5×5
累乗を使ってまとめられるところはまとめます。
3600=2^4×3^2×5^2
これで素因数分解が完成です。
まとめ
数が大きくなると割り算をしなくてはならない回数が増えるため大変ですが、小さい素数から地道に割り算をしていくことがミスをなくすためのコツですので、粘り強く計算していきましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):うおうお
数学の教員免許を活かし、個別指導・集団指導の学習塾で主に数学の講師として小学生から高校生までを指導。現在は民間学童保育所で放課後児童支援員として勤務しながらフリーランスで受験指導もしている。日々、小学生の宿題指導を通して算数の魅力を深掘りし楽しく伝えている。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。
素因数分解の問題にもう一問挑戦!