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大人が意外と間違いやすい数学「−π+2の絶対値は?」

  • 2024.8.5
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数学で習う概念の多くは、日常生活で使う機会があまりありません。

そのため、久しぶりに数学記号や数学用語を見ると非常に難しく感じることもあるでしょう。

今回は、数学記号の「π」や、「絶対値」という数学用語が登場する少しレベルの高い問題に挑戦してみましょう。

自力で解けたらすごいですよ。

問題

−π+2の絶対値を求めてください。

ヒントは、πの正体を考えることです。

解答

正解は、「π−2(+π−2)」です。

πと2に付いている符号をちょうど反対にした形(−π→+π、+2→−2)が正解になります。

どうしてこうなるのか、すぐに分からなくても大丈夫です。

次の「ポイント」で考え方を詳しく説明しますね。

ポイント

この問題のポイントは、絶対値の求め方にあります。

まずは、絶対値とは何だったのかを思い出してみましょう。

絶対値とは、「ある数の数直線上での0からの距離」です。

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例えば、−3の絶対値は3、5の絶対値は5になります。

しかし、いちいち数直線をイメージして絶対値を求めるのはなかなか面倒なものです。

そこで、数の符号に注目して絶対値を求めるという手法がよく使われます。

先の例では、−3の絶対値は3に、5の絶対値は5になりました。

どちらの絶対値も0以上になっています。このように、絶対値は負の数になることは決してありません。

負の数の絶対値を求めるときは、頭に−記号を付けて正の数に変換します。

例えば、−3の絶対値を求めるときは、−(−3)=+3=3とします。

数直線上で、−3の絶対値を求めたときと答えが一致しますね。

絶対値の求め方をまとめると、次のようになります。

★ある数aの絶対値を求めるとき
1.aが正の数(もしくは0)→絶対値はa
2.aが負の数→絶対値は−a

では、今回の問題である−π+2の絶対値を求めてみましょう。

−π+2が正の数か負の数か判別することが問題のポイントです。

では、−π+2は正の数でしょうか?負の数でしょうか?

まず、πとは何のことか思い出してみましょう。

これは、円周率を表す記号でした。

円周率は無限に続く小数ですが、その近似値は3.14だと小学校で習っているはずです。

本当は3.14の後にも小数が続くので、今回は3.14...として表現します。

近似値を問題の式に当てはめると、次のようになります。

−3.14...+2

−3.14...+2の答えははっきりとは分からないものの、−3.14+2=-1.14ですから、全体が負の数になることは確かですね。

−π+2=−3.14...+2 < 0(負の数)

前述した★のルールに従うなら、負の数は式全体に−を付ければ絶対値が求まります。

−(π−2)=−π+2

これで、答えが出ましたね。

なお、aの絶対値は記号を使ってaと表されます。

今回の問題なら Π−2 ですね。

よって、今回の問題の答えを式で表すと、次のようになります。

Π−2=−π+2

まとめ

今回の問題、なかなか難しかったですが、正解できたでしょうか?

絶対値やπの記号を覚えていたかどうかが、問題を解くカギでした。

この問題を理解できたなら、自信をもって他の問題にも挑戦してみてくださいね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


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