負の数の計算は正の数の計算とは少し違うので、答えの符号をどうすればよいのか迷ってしまうこともあるかもしれません。
今回は負の数どうしの掛け算に挑戦して、答えの符号をどうすればよいのか確認してみましょう。
あなたは、秒で解けるでしょうか?
問題
次の計算をしてください。
−111×(−7)
制限時間は3秒です。
解答
正解は、「777」です。
問題の式には負の数しか登場しないにもかかわらず、答えは正の数になりました。
これはなぜなのでしょうか?
次の「ポイント」で負の数の掛け算の基本ルールを確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、負の数どうしの掛け算の答えは正の数になるという点です。
実は次の二つの計算ルールをおさえておけば、掛け算に含まれているのが正の数でも負の数でも困ることはなくなります。
・同符号どうしの掛け算→答えは正の数
例:−1×(−1)=1
1×1=1
・異符号どうしの掛け算→答えは負の数
例:−1×1=−1
1×(−1)=−1
今回の問題は負の数×負の数、つまり同符号どうしの掛け算に当てはまるため、答えは正の数になったのです。
−111×(−7)
=777
負の数どうしの掛け算の答えが正の数になる理由
しかし計算ルールで決まっているとはいえ、負の数に負の数を掛けるという行為がイメージできず、答えが正の数になることに「納得いかない」という人もいるでしょう。
そんな人におすすめなのが、計算の規則性から負の数×負の数の答えの符号を探ることです。
まず、以下の式を見てください。
- −111×3=-333
- −111×2=-222
- −111×1=-111
- −111×0=0
掛けられる数が負の数(−111)のとき、掛ける数が1減るごとに、答えは111ずつ増えています。
この計算を、掛ける数が0より小さくなるまで続けてみましょう。
- −111×0=0
- −111×(−1)=111
- −111×(−2)=222
このように、掛ける数が1減るごとに答えが111ずつ増えるという規則性を適用すれば、掛ける数が負の数になると答えが正の数になるのは自然ですね。
まとめ
今回の問題、迷いなく答えを出せたでしょうか。
掛け算は、掛ける数と掛けられる数の符号に注目すれば、答えの符号もわかります。
ぜひ他の計算問題にも挑戦して、負の数の計算に自信を付けてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
負の数どうしの計算にもう一問挑戦!