約数という言葉、覚えていますか?
暗号理論などの高度な数学においても土台となる重要な概念ですが、約数そのものはそこまで難しくはありません。
約数が登場するのは、小学校の算数時代。
ぜひ記憶をたどって問題を解いてみてください。
問題
次の数の約数を答えてください。
18
制限時間は5秒です。
解答
正解は、「1,2,3,6,9,18」でした。
すべての数を漏らすことなく答えられましたか?
制限時間が短い中で、すべての約数を漏らさず答えるにはちょっとしたコツがあります。
それでは、約数を素早く求める「ポイント」を見ていきましょう。
ポイント
この問題のポイントは、約数を効率よく求める方法にあります。
まずは、約数とは何かを明確にしておきましょう。
約数とは、ある数を割り切る整数のことです。
例えば、2の約数について考えてみましょう。
2÷1=2,2÷2=1なので、1,2は2の約数となります。
一方2÷3は割り切れないので、3は2の約数ではありません。
また、以下のような別の表現で約数を表すこともできます。
整数A=整数B×整数Cの形で表現できるとき、BとCはAの約数である
例えば、2=2×1が成り立つので2の約数は2と1であるといえます。
この表現方法を使うと、一つの整数A(2)の約数として、一気にB(2)とC(1)の二つが発見できました。
このように約数を探すときは、掛け算の形に直すと効率的なのです。
では、問題に戻ってみましょう。
今回は18の約数を探したいのでした。
まず18を割り切る数を1から探していきます。1は18を割り切るとすぐにわかります。このとき次のように1と何を掛けたら18になるのかを考えます。
18=1×□
□に当てはまるのは18ですね。つまり1も18も18の約数です。
18を整数の掛け算の形に直すことで、18の約数1をみつけると同時に、そのペアとなる18も一緒に発見できました。
次に18は2で割り切れることが分かります。これも次のように掛け算で表してみます。
18=2×9
2と9、二つの約数が見つかりました。
3も18を割り切るので、次のように表現してみましょう。
18=3×6
約数3と6が見つかりました。
1,2,3と続けてきたので、次は4ですがこれは18を割り切りません。5も割り切りません。
次の6はもう約数3とのペアで登場していますので、6より先の数字は考える必要はありませんね。
18の約数は1,18,2,9,3,6→並べ替えて1,2,3,6,9,18
これで答えが求められました。
まとめ
今回は約数に関する問題に挑戦しました。効率的な約数の求め方、理解できたでしょうか?
算数・数学に興味が出てきたら、ぜひ他の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP)
「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。