学校では学ぶ機会の少ない、お金の価値について改めて考えてみましょう。1章の「『お金』ってそもそも何者なの?」から、社会におけるお金の価値やあり方について紹介していきます。
【本記事は安田修・著『中学3年生の息子に贈る、学校では教わらない「お金の真実」』(Gakken)より一部抜粋して掲載しています。】
お金のことは、誰も教えてくれないけど「一番大切なこと」
お金のことを悪く言う人もいるけれど、お金の知識はとても大切だ。現実として、この世界はある意味お金を中心に回っている。「資本主義」という言葉は聞いたことがあるだろう。お金を中心に考える、という意味だ。
あえて言おう、お金の知識は生きていく上で「一番大切なこと」だと。
「お金のことは考えるな」に耳を傾けてはいけない理由
お金がなくなることに対する恐怖感や嫉妬が、「お金は汚い」「お金について考えることは悪いことだ」という考えを生み出す。
お金から目を背けて生きる態度は、親から子へ伝わる。そういう大人もその人なりに子供のことを想っており、悪気がないのはわかっておいてほしいが、悲しいことにお金に対する恐怖はこうして「遺伝」するんだ。結果として、お金の格差は世代を経るごとに広がっていく。
「今を楽しむ」と「将来に備える」は両立できる
将来のどこかの時点でより大きなお金として回収ができると考えられることにお金や時間、体力を使うんだ。これを常に意識して行動しているかどうかで、人生は大きく変わる。
「そんな人生は寂しい、今を楽しむべきだ」という意見もあるだろう。でも僕は、今を楽しんではいけないとはひとことも言っていない。むしろ今を全力で楽しむことは、経験という煩悩への投資になる。どちらかといえば、今を楽しまないことのほうが、ムダな時間の使い方だろうと考えている。
今を楽しみつつ、未来への投資をし続けよう。この2つのことは、両立できる。全然、矛盾はしていないんだ。
お金はただの数字であり、どれくらい人の役に立ったのかの「感謝の印」でもある
お金は何かの価値を計測するための数字でしかない。何かと交換して初めて価値が得られるわけで、持っているだけではただの紙切れや金属でしかない。
どれくらいのお金を受け取れるかはその約束事の大きさによって決まる。つまり、どれだけ人の役に立ったかを測るのがお金だというわけだ。
そういう仕組みだから、お金自体はただの数字だし、お金を持っている人が悪でもない(それどころか、誰よりも世の中役に立っている人である)ことが、わかるかな。
お金自体に価値はないが、お金は価値に替えられる
お金自体に価値はないが、お金を何かと交換することで価値に替えることができます。逆に、お金を得るためには、価値を示す必要があるということ。そして、私たちが生きる社会では、お金の持つ価値が何よりも重要視されるため、お金の持つ価値を正しく理解することが必要なのです。
安田修・著『中学3年生の息子に贈る、学校では教わらない「お金の真実」』(Gakken)より