昨今、耳にすることが増えた「生成AI」をご存知でしょうか?「生成AI」の一つで、文章作成をしてくれる「ChatGPT」を使ったことのある方は多いと思いますが、どんな仕組みで文章を作っているのか、よくわからないですよね。第3章「生成AIのひみつ」から、あまり知られていない、「生成AI」の仕組みについて紹介します。
【本記事は鈴木秀樹・著『おとなもこどもも知りたい 生成AIの教室』(カンゼン)より一部抜粋して掲載しています。】
生成AIってこれまでのAIとどうちがうの?
これまでのAIは、学習したデータをもとに画像や音声を認識し分析することで、課題解決に役立てられてきました。
生成AIもまた、AIのひとつ。ただ「生成」という言葉の通り、インターネット上の情報など、学習した大量のデータをもとに、ものを生み出すことができるまったくあたらしいAIです。
生成AIでくらしはどう変わる?
生成AIがあたえるえいきょうは、今では生活に欠かせなくなったインターネット登場を上まわるともいわれるほどです。
実際、すでに大学生はリポートの下書をするのに使ったり、英語の勉強、就職活動にも活用したりするそうです。しごとをしている人なら、メールや資料を生成AIに作成させたり、企画段階のアイデアだしに使ったり、さまざまな作業の効率がアップする可能性を秘めています。さらに、文章や画像の生成をまさにクリエイティブなしごとで活用する現場もあります。
ChatGPTなど、わたしたち自身が何かをつくるために利用できる生成AIサービスがあるのはもちろん、企業が生成AIを活用することで、わたしたちがオーダーメイドのような便利で細やかなサービスを受けられる。そんな社会が来きています。
ChatGPTについて教えて!
ChatGPTは、世界中で生成AIブームに火をつけた対話型の生成AIサービスのことです。
「Chat(チャット)=対話」の名のとおり、人が投げかけた質問や指示に答えるかたちで、文章をつくったり、要約したり、外国語を訳したりなど、さまざまなしごとをこなします。
生成AIが自然な文章をつくれるのはなぜ?
ChatGPTなどの対話型生成AIは、こちらの問いかけに対してまるで人間が話すように自然な言葉でかえしてきます。そのひみつは「大規模言語モデル」というしくみにあります。
大規模言語モデルは、大量の会話文やインターネット上にあるデー タのほか、多くの本のなかから言葉やその使い方を、ディープラーニングで学習させたものです。
GPT(大規模言語モデル)が文章のつづきを書く場合、それまでに行なった学習をもとに、次につづく単語としてもっとも確率が高たかいものをだす。さらに、だした単語の次につづく単語として、もっとも確率が高いものをだす。この作業をくりかえしながら、長い文章を生成しています。
日常をより便利に、より快適に
インターネットを上回る影響を与えると言われることから、生成AIがいかに革新的なツールであるのかがわかりますね。しかし、生成AIがどれだけ便利だとしても、ツールの一つであることに変わりはありません。生成AIに頼りきるのではなく、上手に使いこなすことによって、日々の生活をより便利に、より快適なものにしていきましょう!
鈴木秀樹・著『おとなもこどもも知りたい 生成AIの教室』(カンゼン)より