九九の範囲に収まる掛け算は一瞬で答えを出せても、二桁の掛け算になるとすぐに計算するのは難しいものです。
とはいえ、二桁の掛け算=筆算を使わないといけない、と思い込んでいませんか?
さて、今回の問題は二桁の数字が三つも登場しますが、筆算なしで秒で解けるでしょうか?
問題
次の計算問題を解いてください。
11×11×11×0
制限時間は3秒です。
解答
正解は、「0」です。
計算をするとき三つの11に注目してしまうと解きにくくなってしまう問題でした。
では、本当に注目すべき点は?
次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
今回の問題では、掛け算の中の0がポイントです。
掛け算の中に0が含まれていると、答えは必ず0になります。
これはどんなに長い式でも、大きな数字が含まれている式でも同じです。
例えば、次のような式でも…
101111×1111111111×12121212×0
0×1.1×1.2×1.3×1.4
掛ける数、掛けられる数に関わらず、0が掛け算内に登場すれば、答えは0になります。
このことを知っていれば、今回の問題を見た瞬間「答えは0だな」と瞬時にわかるのです。
では、なぜ0が掛け算に登場すると答えは0になってしまうのでしょうか。
掛け算は、足し算を簡単に書いたものであることを思い出してください。
例えば、2×3は2つのものが3個ある時の合計を出している式で、足し算で表現すると2+2+2になります。
それならば0×3は、0+0+0のことです。0をいくつ足しても0にしかならないですよね。
では掛けられる数、掛ける数を逆にして、3×0の場合はどうでしょうか。
3つのものが0個、つまり存在しないということなので、やはり0です。
よって、掛けられる数、掛ける数どちらに0が出てきても、掛け算の答えは0になってしまうのです。
まとめ
今回は、掛け算の中に0が含まれている問題に挑戦しました。
「×0」に注目して、瞬時に答えを出せたでしょうか?
0は不思議な数字で、計算ルールの例外を生み出すこともたびたびあります。
他にも0に関する問題に挑戦して、0の不思議を味わってみてください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
0の計算にもう一問挑戦!