面積や辺の長さを求めるには「面積=縦×横」だけでなく、小学校で習った他の知識も役立ちます。
今回は、さまざまな図形の面積や辺の長さを求める問題に挑戦してみましょう!
問題
次の□に当てはまる数を求めなさい。
※長方形の角は、すべて直角である。
※長さや面積の縮尺は、必ずしも正確に描かれていない。
40cm2の長方形の横の長さは、「40÷6」の計算で出すことができます。
しかし、割り切れないので「40/6=20/3」と分数で表すことになります。
これで解き進めていくことも可能ですが、実はもっと簡単に求め方法があります。
ヒントは「比」です。
解説
今回の問題の答えは「4(cm)」です。
実は、今回の問題は「縦の長さ」を求めるだけで、答えを出すことが可能です。「横の長さ」は必要ありません。
次のような手順で答えを求めます。
(解説のため、下図のようにA、Bとする)
まずはじめに着目するのは、左の二つの長方形です。(40cm2と80cm2の長方形)
これら二つの長方形は横の長さが同じで、面積の比が「1:2」です(80cm2は、40cm2の2倍)
つまり、縦の長さも「1:2」となります。
6:A=1:2より
A=12cm
このようにして、横の長さを求めなくても縦の長さを求めることができました。
さて、AとBは向かい合う辺となっているので、長さも等しくなります。(B=12cm)
次に、右の二つの長方形でも同じことを考えましょう。(90cm2と30cm2の長方形)
これら二つの長方形は、横の長さが同じで、面積の比が「3:1」です。(90cm2は、30cm2の3倍)
よって、縦の長さは「3:1」となります。
12:□=3:1より
□=4cm
したがって、「4cm」が答えです。
今回の問題は、「面積=縦×横」を利用して答えを出すことも可能ですが、途中で分数の計算をしないといけないため、難しくなってしまいます。
一方、ここで解説した解き方は、簡単な比の計算なので、暗算でも可能ではないでしょうか。
面積と長さの比を利用するというのがポイントです!
まとめ
「縦と横の長さを求めなければならない」という固定概念を取り払って解くことが大事です。
計算力ではなく、思考力・発想力が求められる問題でした!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
図形の問題にもう一問挑戦!