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大人が意外と解けない算数「割引後の利益はいくら?」

  • 2024.6.14
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お店を経営する際、商品の値段設定はとても重要です。

いくらで仕入れて、いくらで売れば、どれくらいの利益が出るのかを計算することは、算数や数学の問題でもよく取り上げられます。

今回は「利益」を求める問題に挑戦してみましょう。

問題

ある店では、原価1000円で仕入れた商品に、原価の40%の利益を見込んで定価をつけました。
しかし、その値段では売れなかったので定価の10%引きにしたところ売れました。
このときお店はいくらの利益を得ましたか。
※消費税などは考慮しないものとする

よくある間違いは、「40%の利益から10%引きするので、差し引き30%の利益。つまり1000円の30%だから、300円の利益」と考えてしまうことです。

答えは300円ではありません。

解説

今回の問題の答えは「260円」です。

この問題を考えるには、「原価」「定価」「売値」をきちんと区別して考えなければいけません。

順に解説をしていきます。

原価

「原価」は、販売するお店が生産元や卸売り業者から買うときの金額です。「仕入れ値」ということもあります。

現実では、人件費やお店の家賃なども含めて考えることもありますが、算数では特に指示がなければ、商品だけの金額で考えます。

今回の問題では「1000円」です(問題文より)。

定価

販売するお店が、原価に利益を加えた金額を「定価」と言います。

今回の問題では、「原価の40%の利益を見込んで定価をつける」ので、次のような計算になります。

1000×(1+0.4)
=1000×1.4
=1400円

売値

実際にお客さんが商品を買った金額が「売値」です(値引きをしなければ「定価=売値」となります)

今回は「定価の10%引き」をするので、次のように計算します。

1400×(1-0.1)
=1400×0.9
=1260円

つまり、1400円から140円を値引きして1260円で売ったということになります。

よく間違えるのは、「10%の割引」を「1000円の10%」と考えてしまうことです。これは「原価の10%」です。

正しくは「定価の10%引き」なので、1400円を基準にして計算します。

利益

利益は「売値から原価を引いた金額」です。

1260-1000=260円となり、「260円」が答えとなります。

ちなみに、利益はマイナスの値になることもあります。その場合は「お店が損失を出した」ということですね。

まとめ

算数の問題では簡略化されていますが、現実ではさらに複雑な計算が必要になります。

割合に関する問題は間違えやすいので、ぜひ学び直しをしてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


もう一問!次は原価を求めてみましょう!

大人が意外と間違える数学「定価4600円の原価は?」
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