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「藤子・F・不二雄」の傑作がついにアニメ化!まるで“過激すぎる”『ドラえもん』!?内容が衝撃的すぎる...

  • 2024.5.23

『ドラえもん』などでも時折登場する時空間の平和を守る存在“タイムパトロール”。実はそんなタイム・パトロールを主人公としたシリーズ『T・P(タイムパトロール)ぼん』という漫画を藤子・F・不二雄先生が書いています。本作はタイムパトロールとなった中学生、並平 凡(なみひら ぼん)が様々な時代に向かい、人々を救うことになるSFアドベンチャーです。そんな『T・Pぼん』がアニメシリーズとなって2024年5月2日よりNetflix独占配信をスタートしました。

注目はその攻めた内容。『ドラえもん』の作品イメージとはまた違った藤子・F・不二雄先生の色が出た作品を抽出したアニメーションシリーズとなっていたのです。

『T・Pぼん』は時代を越えて命を救う物語!

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Netflixシリーズ『T・Pぼん』5月4日(土)より独占配信

そもそも『T・Pぼん』とはどんなお話なのか。『ドラえもん』などでタイムパトロールのことを知っている人は、時空間の警察のような役割だとざっくりとしたイメージを持っているかもしれませんが『T・Pぼん』ではより具体的にタイムパトロールの仕事の様子が描かれていきます。

中でも主人公のぼんが請け負う役目は、全世界・全時代の不幸な死を遂げた人を救うという“人命救助”。歴史の流れを大きく変えない存在であれば、死ぬはずだった人を救うことができるという設定から、各時代の名もなき不遇な思いをした人々に手を差し伸べていくというシリアスな設定となっています。

作中に登場する時代も国も様々。まだピラミッドを作っている最中の紀元前のエジプトを訪れたと思えば、数十年昔の戦時中の日本を訪れたり、はたまたまだ人類が生まれていない遥か昔のジュラ紀を訪れたりと、際限のない冒険のスケールの大きさにも驚かされます。

これまでの藤子・F・不二雄作品のアニメーションとの大きな違い

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Netflixシリーズ『T・Pぼん』5月4日(土)より独占配信

そもそも藤子・F・不二雄先生の原作のアニメーション化といえば、現在の『ドラえもん』シリーズも手がけているシンエイ動画の印象が強いです。シンエイ動画は80年代には“藤子不二雄劇場”という枠を設けて、藤子不二雄A先生の作品を含む藤子不二雄原作のアニメ化を一手に担っていたほどでした。

しかし、今やその放送枠も終了し『ドラえもん』を除くとしばらく藤子・F・不二雄先生の原作漫画の新作TVアニメーションは作られなくなってしまいます。

そんな流れを経て、現在。シンエイ動画に続いて、新たに藤子・F・不二雄先生の原作のアニメーション化に臨むのが『僕のヒーローアカデミア』、『モブサイコ100』、『エウレカセブン』シリーズなどで知られる制作会社ボンズ。藤子・F・不二雄先生の原作漫画のタッチは残しつつも新鮮味のあるキャラクターデザインでシンエイ動画の印象とはまた違ったアニメーション化に挑んでいます。

流血描写あり!時には過激なエピソードも登場している?

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Netflixシリーズ『T・Pぼん』5月4日(土)より独占配信

これまでの藤子・F・不二雄原作アニメーションとの決定的な違いは、やはりなんといっても原作にも存在した過激な表現や演出にも果敢に挑戦しているところです。なにを隠そう、今回の新作アニメシリーズ『T・Pぼん』では、かつてのゴールデンタイムの放送枠や子ども向け作品という対象年齢の都合で難しかった“流血描写あり”で制作しているのだからビックリ。

そんな過激な演出は第1話からさっそく登場。ぼんの友人が誤ってマンションの高層階のベランダからら落下して死んでしまうという原作でも強いフックとなっているショックの強い展開を、かなり生々しい血が滲んでいくような生々しい表現で再現していて、はっきりと「攻めている企画」であることが明示されます

以降もたびたびバイオレンス描写は登場。主人公のぼんがその迂闊さから、致命的な怪我を負ってしまう展開や、中世の“魔女狩り”を取り上げた回では拷問の様子がじっくり描かれたりと衝撃的です。

しかも、ただいたずらに過激に描いてるのではなく「なぜこんな悲惨なことが起こってしまうのか」も物語上で意味が乗ってくるのだから、やはりこの演出は外せないと思えるのが原作を踏まえた上でも思うところ。

表現の自由の幅が広いNetflixという場で本作がリリースされたことも納得のアニメシリーズでした!

Netflixシリーズ「T・Pぼん(タイムパトロールぼん)」5月4日(土)より独占配信
【藤子・F・不二雄 生誕90周年記念作品】


※記事内の情報は執筆時点の情報です

ネジムラ89
アニメ映画ライター。現在複数のメディア媒体でアニメーション映画を中心とした話題を発信中。X:@nejimakikoibumi