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岡田将生の“クセ強”演技に絶賛の声「かわいい」「表情とか目線が細かい」NHK朝ドラ『虎に翼』

  • 2024.7.28
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(C)NHK

『虎に翼』に第14週から登場している星航一。SNSでは、癖のある航一のセリフ、そして寅子をいつの間にか導いている姿に注目が集まっている。演じているのは、独特の個性を放つ役を演じることが多くなった岡田将生だ。

徐々に見えてくる航一の性格

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初代最高裁判所長官である星朋彦(平田満)の息子である航一と寅子の出会いは、朋彦が過去に出版した『日常生活と民法』の改稿作業の相棒としてだった。いつも本心が読めない微笑を浮かべ、多くを語らない航一。含みのある言い回しも含めて、掴めない人物だ。

何を考えているか分からない航一に戸惑うことが多かった寅子だが、改稿作業を通して航一とともに法律に向き合い、文章から互いの法に対する考えを確認していったことで、徐々に航一との距離が縮まっていく。そして、異動先の新潟で再会を果たす。四面楚歌状態だった寅子は、知り合いとの再会を分かりやすく喜んでいた。

航一の口癖は「なるほど」。それは、分かり合えない相手に一線を引いたうえで、相手の考えを飲み込もうとする言葉だ。これは、航一の処世術の一つだろう。

また、新潟では弁護士の杉田兄弟からの誘いをすべて断り続けていた。それも航一なりの田舎の“持ちつ持たれつ”に対抗する術だったのだろう。「はて?」と相手に疑問をぶつけることで相手との溝を埋めようとしたり、杉田兄弟にも言うべきことは言う寅子とは真逆の人間といえる。

航一が寅子に与える影響

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航一が発した言葉によって、地方家庭裁判所での振る舞いや優未とのコミュニケーションのヒントをもらった寅子。第17週では、喫茶・ライトハウスを寅子に紹介し、桜川涼子(桜井ユキ)との再会へ導いた。

寅子を食事に誘ったり、麻雀が好きだと打ち明けたりと、寅子との距離の縮まりが見られるようになった。寅子の大きなリアクションに反応するわずかな表情の変化がなんとも魅力的だ。改稿作業の相手として出会った時は、「あの佐田寅子さん」なんて言っていた航一だが、新潟では寅子の仕事ぶりや誰にも正面からぶつかっていく言動に刺激を受けていることが分かる。

まだ、航一自身にどんな事情や感情があるのかなどは、詳しく明らかになっていない。今後の展開を期待したいところだ。

岡田将生の“癖が強い”役が好きなひとへ

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話題の映画やドラマに数多く出演している岡田将生。航一のように、独特の個性を持つ役柄を演じることも多くなってきた。

2023年に公開された映画『1秒先の彼』では、せっかちなハジメ役を演じた。『1秒先の彼』は、京都を舞台に周囲よりワンテンポ早いハジメとワンテンポ遅い女性・レイカ(清原果耶)の消えた1日をめぐる物語。京都弁で理路整然と捲し立てるように話すハジメの口調と、恋をしてしまったストリートミュージシャン・桜子への柔らかな態度とのギャップが魅力的だった。

2021年のドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』では、主人公・とわ子(松たか子)の三番目の夫・中村慎森を演じた。慎森は、作中で最も癖のある人物といっても過言ではなく、「挨拶っていります?」「おいしいって言う必要あるかな?」など、言葉を選ばずに言えば面倒臭い男だ。とわ子を愛する気持ちはあるのに、本心を話すのが下手で強がりばかりをいってしまう不器用さが可愛らしかった。

めんどくさく、不器用な男であるにもかかわらず、憎めずなぜか愛せてしまう慎森の魅力は、岡田将生のセリフ回しの上手さが作っていたといってもいいだろう。

2024年には、サイコな殺人鬼を演じた映画『ゴールドボーイ』や、妻とは別に恋人を作る夫を演じたAmazonPrimeオリジナルドラマ『1122(いいふうふ)』などにも出演し、話題を集めた。8月には大作映画『ラストマイル』の公開も控えている。どんな性格の人物を演じることになるのか期待してしまう。

SNSでも航一の独特さに対して、「航一さんかわいい」「表情とか目線の演技が細かい」など好評の声が上がっている。癖が強いにもかかわらず、航一が愛されているのは、岡田将生の演技の魅力である声の抑揚の付け方や細かな表情の作りなどが、キャラクターに人間味を与えている証拠だろう。寅子との距離が縮まるごとに、航一がどんな感情を見せるのかを楽しみにしたい。


ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、施設取材、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。X(旧Twitter):@k_ar0202