スーパーや八百屋で購入した野菜に虫がついていた…という話を耳にすることがあります。野菜を作るうえで虫がついてしまうこともあるだろうとは思っても、実際に虫を目にしたら驚く人もいるかもしれません。
本記事では、レタスに虫がついていた際の「上司の驚きのクレーム対応」についてご紹介します。
納品したレタスの中に虫が混入!
こちらのエピソードは、会社員の40代男性が教えてくれました。
15年程前、仕事でクレーム対応をしたときのことです。
私は野菜をスーパーに納品する仕事をしていました。ある日、納品先のスーパーから連絡が入りました。どうやら私が納品したレタスを購入したお客様から「レタスの中に虫がいたからすぐに来い」とクレームが入ったというのです。そこで、一緒にお客様のところへ行って説明してほしいとのことでした。
私はそのようなクレームを受けることは初めてだったため、どのように説明したらいいのかわかりません。不安になった私は、上司に相談することに。上司は「一緒に行くから見ておきなさい」と言い、上司と一緒に向かうことになりました。
私と上司、スーパーの社員3人でお客様の家へ行くと、60代くらいの男性のお客様がすごい剣幕で怒っていました。
これはまずい…と思いながら、とりあえずお客様の話を聞くことに。お客様はレタスを持って来て「ほら!見てみろ!」と私たちに押し付けてきました。レタスを見ると、たしかにアブラムシのような虫が数匹確認できました。
お客様は「今までこんなことなかった!間違って食べていたらどうなっていたか!責任は取れるのか!!」と怒鳴っています。
すぐさま私たちは「申し訳ございませんでした」と謝罪。その上で、「レタスの生育過程の中で、虫が混入してしまったようです」「アブラムシは口にしてしまっても人体に影響はありません」と説明をしながら謝罪を繰り返しましたが、お客様の怒りは収まりません。
「食べたら病気になったり、死んでいたかもしれないんだぞ!責任を取れ!」お客様はますますヒートアップ。私たちは何度も謝罪を繰り返しましたが、まったく聞いてもらえません。
謝罪を受け入れてもらえず、お客様の怒りが収まらないまま1時間程経った頃、私はもう収拾がつかない…と半ば諦めてきました。
すると、上司が動きました。
上司は急に黙り込むと、虫がついたレタスを持ち、口の中へ入れたのです…!
これにはヒートアップしていたお客様も急に静かになってしまいました。
そして、上司は静かな口調で「私はこの仕事を長くしていますが、野菜には虫がつくこともあります。ですが、そのことで病気になったり亡くなったりといった話は聞いたことがないのでご安心ください」とお客様の目を真っすぐに見ながら話しました。
お客様は目を丸くし、何も言えないといった様子。しばらく沈黙が続き、お客様は「もうわかったから帰ってくれ」と言いました。こうして、私たちは挨拶をしてお客様の家を後にすることができたのです。
上司が虫の付いたレタスを食べたときには「やるな」と思いました。まさかあの場面で野菜を食べるとは1ミリも思いませんでした。
後で上司にこのときの対応について話を聞いたところ、クレーム対応について教えてもらえました。
上司からは「まずは謝罪を繰り返して、相手の話を聞く。聞く中で怒りが収まらないなどあればいったん持ち帰ったり、行動を起こしたりすること。しかし、そのときには決して商品代金以外の金銭は渡してはならない」など教わりました。
ちなみにレタスを食べても怒りが収まらなかったら次の策もあったそうです。教えてくれませんでしたが…。
難しいクレーム対応
見事にその場を収めた上司。お客さんも上司の行動に驚いて怒りがどこかへ飛んで行ったのかもしれません。身をもって野菜の安全性と、アブラムシを口にしてしまっても人体には害はないことを伝えた上司はさすがですね。
クレーム対応は難しい場面もたくさんあるでしょう。そんなときは、経験豊富な上司に対応策を教わってみるのがよさそうですね。
提供:会社員/40代男性
※この記事では媒体で募集した体験談を掲載しています