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大人が意外と間違えやすい「値引きしたあと利益は出る?」

  • 2024.6.26
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お店では、仕入れ値に利益分の金額をのせて商品を販売しています。

セールの際には値引きをして販売しますが、利益を残しながらどの程度値引きをするかは悩ましいところです。

今回は、「利益」と「値引き」に関する問題に挑戦しましょう。

問題

あるスーパーでリンゴを5000円分仕入れた→仕入れ値
仕入れ値に30%の利益を加えた価格→定価
定価の25%オフ→値引きした価格
この値引きした価格で、利益は出ますか?

※消費税は考えないものとします。

解答

答えは、「利益は出ない」です。

「仕入れ値に30%の利益を加える」「25%オフ」

一見すると、利益が残りそうにも思えますね。

では、値引きした価格を求めて、仕入れ値と比べてみましょう。

定価を求めましょう

定価は、仕入れ値5000円に利益(仕入れ値の30%=0.3)を加えた金額になります。

5000×0.3=1500(円)・・・利益
これを仕入れ値に加えると、5000+1500=6500(円)        
定価は、6500円です。

値引きした価格と仕入れ値と比べましょう

次に、値引きした価格を求めましょう。

定価から25%引きです。

6500×0.25=1625(円)・・・値引きする額
6500-1625=4875(円)

値引きした価格4875円と仕入れ値5000円を比べてみると
仕入れ値の方が高いため、利益は出ないことになります。

ポイント

この問題のポイントは、「%の大小に騙されず、仕入れ値と値引きした価格を比較する」ことです。

30%の利益と25%値引きでは、値引きの%の方が利益の%よりも数が小さいです。

よって、一見利益が出るように思えます。

しかし、実際は値引きした価格が仕入れ値より、125円も安くなってしまっています。

どうしてこんなことが起こるのでしょうか。

これは、何に対しての割合なのか(%のもとになる値)を見てみると分かります。

【利益額の計算】
仕入れ値に対しての30%なので、5000円に掛けます。
5000×0.3=1500(円)
【値引き額の計算】
定価に対しての25%なので、6500円に掛けます。
6500×0.25=1625(円)

掛ける数は、利益額の計算(0.3)>値引き額の計算(0.25)ですが、掛けられる数は、利益額の計算(5000)<値引き額の計算(6500)であるのが分かります。

結果的に、計算すると利益額よりも値引き額の方が大きくなってしまったのでした。

まとめ

この問題では、利益と値引きについて考えました。

仕入れ値に対する「利益の割合」と定価に対する「値引きの割合」を単純に比較してしまうと、思わぬ損をするかもしれません。

セールをする際には、値引き後に儲かるのか、しっかり計算する必要があるのですね。



文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。

監修:株式会社かえでプロダクション(公式HP

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「編集技術で過去と未来をつなぐ」小学生・中学生・高校生の学習用教材を執筆・編集・校正する編集専門のプロダクション。英語・算数/数学・国語・理科・社会の主要5科目のテキストやドリル、テストや模試、デジタル系の教材など幅広く制作。教材からできる教育を目指し、教育業界を支える会社。会社独自の福利厚生が充実しており、社員が働きやすい環境を整え、新しい働き方で第三者機関から認定を受けている。


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