1. トップ
  2. 大人が意外と知らない算数「51×49」→暗算で解ける?

大人が意外と知らない算数「51×49」→暗算で解ける?

  • 2024.5.18
undefined

インドの算数教育は、進んでいるといわれることがあります。

特に、「インド式計算法」はその中でも、よく知られる計算法の一つです。

この記事では、多く存在するインド式計算法のテクニックのうちの一つをご紹介します。

問題

(問題)
51×49を暗算で計算しなさい。

「暗算では難しい」と感じた人も多いのではないでしょうか。

しかし、インド式計算法を使うことで、このような式も暗算で解くことが可能になります。

解説

この問題の答えは「2499」です。

インド式計算法では、条件により複数の計算パターンがあります。

今回の条件は、「同じ十の倍数から、ある数を足したものと引いたもの二つの数の掛け算」です。

undefined

【手順1】基準の数字どうしを掛け合わせる

まず51×49は、50より1大きい数と50より1小さい数の掛け算です。

「50より1大きい数」と「50より1小さい数」なので、基準となる数は「50」。

「50」を掛け合わせます。50×50=2500

【手順2】基準の数字との差分同士を掛け合わせる

基準の数字との差分同士を掛け合わせます。

51×49ではそれぞれ50と1ずつ差分があるので、1×1=1となります。

【手順3】引き算

手順1の数字から、手順2の数字を引いた数が答えになります。

2500-1=2499が答えです。

ポイント

今回ご紹介した計算方法がなぜ成り立つのか。

その仕組みは次の三つの手順で説明できます。

(1)掛け算を長方形の面積で表す
(2)端数で区切って面積を移動させる
(3)面積の計算を行う

それぞれ詳しく解説します。

(1)掛け算を長方形の面積で表す

undefined

掛け算は長方形の面積で表すことができます。

長方形の面積は縦×横で求められるので、今回の問題の51×49は縦の長さが51、横の長さが49の面積で表せます。

(2)端数で区切って面積を移動させる

undefined

(1)で用意した縦の長さが51、横の長さが49の長方形の縦の長さを縦50で区切ってみましょう。

そして、図のように向きを変えて移動させます。

この時に、下にすき間ができることに注意しましょう。

(3)面積の計算を行う

undefined

(2)でできた図形の面積を求めます。

全体の正方形から右下のすき間を引きます。

50×50-1×1
=2500-1
=2499

因数分解を用いてみる

51×49の計算は、因数分解を用いて考えることも可能です。

(x+y)(x-y)=x^2 - y^2
この公式を用いると、
51×49
=(50+1)(50-1)
=50^2- 1^2
=2500-1
=2499

面積図での考え方と同じ計算になりましたね。

まとめ

インド式計算法の一つの手法をご紹介しました。

今回の方法を使えば、筆算で解いていた計算も暗算で行うことができるようになります。

ぜひこの方法を活用して、計算のスキルを向上させてみてください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



執筆:nika
これまでに学習塾で小学生から高校生まで算数・数学の指導を15年以上行っているライター。

監修:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


インド式計算法をもう一問どうぞ!

大人が意外と間違う算数「96×97」→暗算できる?
大人が意外と間違う算数「96×97」→暗算できる?