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大人が意外と間違う算数「96×97」→暗算できる?

  • 2024.4.26
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日常生活では、ちょっとした計算でもスマホの電卓を使ってしまいがちではないでしょうか。

自分自身で計算をする習慣がなくなると、いざ計算しなければならない場面で正しく計算できなくなってしまいます。

そこで今回は、思考力を集約した「インド式計算法」を紹介します。

「インド式計算法」を活用できるようになれば、素早く簡単に暗算ができるようになります。

問題

次の計算を暗算でしなさい。
96×97

繰り上がりもあり、通常の計算をするとなると、間違えないように注意が必要です。

「インド式計算法」を知らない方も、まずは答えを出してみましょう。

解説

今回の問題の答えは「9,312」です。

ここでは、インド式計算法を用いて計算する手順を紹介します。

インド式計算法では、「どのような計算式か」によって、解法のパターンが異なります。

今回は、以下の条件のときに使用できます。

二つの数が、共に100より少し小さい数のとき。

※95以上の数であれば、計算が苦手な方でも練習をすれば活用できるようになります。

計算が得意な方であれば、91以上の数でも暗算で可能です。

今回は「96×97」の場合を考えていきます。

【手順1】
二つの数が、それぞれあといくつで100になるかを求める。
「96」は、あと「4」で100になる。
「97」は、あと「3」で100になる。

【手順2】
手順1で求めた二つの数を足し算し、100倍する。
4+3=7
7×100=700

【手順3】
「100×100」を計算。答えは「10,000」。
その「10,000」から手順2で求めた数を引く。
10,000-700=9,300

【手順4】
手順1で求めた二つの数を掛け算し、手順3で求めた数に足す。それが答えとなる。
4×3=12
9,300+12=9,312

慣れないうちは難しく感じるかもしれませんが、練習を繰り返すことで活用できるようになります。

この「インド式計算法」を身につければ、通常の計算よりも早く答えが求められるはずです。

計算が成り立つ理由

ここでは、なぜこの計算が成り立つのかを考えてみましょう。

これを知らなくても計算はできますが、理由まで知っていると計算ミスを減らすことができます。

二つの方法で理由を説明します。

展開公式

今回使った計算の手順は、実は中学校で学習する「展開公式」の一つを用いたものです。

また、二つの数は100より小さい数なので、それぞれ「100-a」「100-b」とします。

(100-a)(100-b) = 100^2-100(a+b)+ab

今回の問題に当てはめると
(100-4)(100-3)
=100^2-100(4+3)+4×3
=10,000-700+12
=9,300+12
=9,312
となり、確かに正しい答えとなりました。

面積図

中学数学が苦手という方も、小学校までの知識で確認ができます。

「96×97」の計算は、縦96cm、横97cmの長方形の面積を求めるのと同じです。

この面積を求めるために、「100×100」の正方形から、不要な部分を引き算するということを考えます。

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「4×100」の長方形(下図の赤枠)と「3×100」の長方形(下図の青枠)を引きましょう。

しかし、これら二つの長方形を引くと、重なった部分が重複して引き算されてしまうことになります。

重複して引き算をした「4×3」は、足し算をしなければいけません。

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したがって、面積の計算は以下のようになります。

「100×100」の正方形は10,000cm2

赤枠の長方形:4×100=400cm2
青枠の長方形:3×100=300cm2
→これらの合計 400+300=700cm2

重複して引いた部分:4×3=12cm2

よって、求める面積は
10,000-700+12
=9,300+12
=9,312

今回は96×97の計算をしましたが、以下の条件を満たす計算であれば同じように考えることができますね。

二つの数が、共に100より少し小さい数のとき。

まとめ

今回紹介した手順は、「インド式計算法」の中でも少し難しいものとなります。繰り返し練習をしましょう!

また「インド式計算法」には、他のパターンもあり、別の記事で紹介しています。ぜひこちらも確認してください。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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