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大人が意外と間違える算数「原価はいくら?」

  • 2024.5.21

 

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お店や企業では、利益を上げるために商品の価格をきちんと決めなければいけません。

利益がマイナスにならないように、さまざまな要因を考慮する必要があります。

この考え方の基礎は算数にあり、「損益算」と呼ばれます。この記事では、「損益算」について例題を交えながら解説をしていきます。

問題

ある商品に原価の3割の利益があるように定価をつけました。
その後、定価の1割引きにして売ることにしました。
値引き後の売値が2340円です。
この商品の原価を求めなさい。

※消費税は考慮しないものとする

原価、定価、売値を区別して計算しましょう。

解説

この問題の答えは「2000円」です。

求める方法がいくつかありますが、ここでは方程式を用いて考えましょう。

まず、定価は下記の式で求められます。

定価=原価+利益

そして、求めなければいけない原価をA円とします。

利益は原価の3割なので、上記の式に導入すると、定価は(1+0.3)×A=1.3A円です。

その後、定価1.3A円の商品を1割引きします。

つまり、
1.3A×(1-0.1)
=1.3A×0.9
=1.17A

これは売値2340円と等しいので
1.17A=2340
A=2340÷1.17=2000

したがって、原価は2000円です。

損益算とは

現実では、社員の給与やお店の家賃、消費税やその他経費など、さまざまな要因を考えなければいけません。

しかし、算数の問題では、基本的に「原価、定価、売値、利益」の四つに関して考えます。それぞれの違いを正しく理解しているでしょうか。

原価
販売するお店が、生産元か卸売り業者から買うときの値段
(仕入れ値ということもある)
定価
販売するお店が、原価に利益を加えた値段
売値
定価から値引きして、実際にお客さんに売った値段
(値引きをしなかったら、「定価=売値」となる)
利益
売値と原価の差(売値-原価)で表現する
プラスになれば益(儲けが出ている状態)、マイナスになれば損(赤字の状態)

今回の問題では、次のようになっています。

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売値の「1.17A円」が「2340円」と等しいので、「1.17A=2340」という方程式が作れます。

今回の問題では、次のようになっています。

  • 原価:2000円
  • 定価:2600円(当初は600円の利益を見込む)
  • 売値:2340円(1割引き)

したがって、お店の利益は340円です。

まとめ

損益算を解くには、「原価、定価、売値、利益」を正しく理解している必要があります。

現実では、消費税やその他の経費なども計算しないといけないので、さらに複雑になります。

まずは、この問題をきちんと解けるようになりましょう。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。


文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」


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