アルバイトに応募する際、履歴書に貼る証明写真。シャツスタイルやジャケットスタイルなどで撮った、ややフォーマルな写真を選ぶ方が多いのではないでしょうか?
とりにく(@tarakosan114)さんが、アルバイトに応募しようとした際の証明写真をX(旧Twitter)上に投稿したところ、「最高過ぎる!」「京都のガイドさんになってほしい!」と注目を集めています。
とりにくさんがアルバイトの履歴書に使用したのはどのような写真だったのでしょうか?
その投稿がこちら!
バイトの応募、まともな写真...真剣に探したけどそもそもがおかし過ぎるからまともな奴がねぇ!! pic.twitter.com/rK1r1sytuW
— とりにく (@tarakosan114) April 14, 2024
和装+ちょんまげ!
とても凛々しくカッコいい!……のですが、まるで時代劇から飛び出してきたお侍さんのような写真で、「え!? 令和だよね!?」と驚いてしまいますね。
実はこちらのとりにくさんは、和装とちょんまげのカッコよさに魅せられ、日常的にこのスタイルで生活しているのだそうです。
こちらのスーツ姿の写真とも検討なさったそうですが、今と雰囲気が違い過ぎると考えてやめたのだとか。
こういう写真もあるんだけど、あまりに今と違い過ぎるからなぁ....まぁそもそも色抜いてる時点でビジネス的にはアウトな写真なのかもだけど... pic.twitter.com/rvDTxrrYuY
— とりにく (@tarakosan114) April 14, 2024
確かに、今の姿がちょんまげだとすると、それに合ったお写真のほうが良いのかもしれません。
ちなみに、アルバイト面接の結果は、見事採用!
応募先の沖縄料理店の店長さんは「こんな面白い人とらないわけないじゃん!」と非常に好意的な反応で、さらに、ちょんまげのまま接客して良いという許可も出たそうです。
「ちょんまげだと髪を洗えないのでは?」という心配をしたユーザーもいたようですが、とりにくさんは「しっかり洗髪しています」とのこと。月代(さかやき)という剃髪部分をきれいに剃り上げるには髷をはずさなければならないため、毎日髪を洗いセットし直しているそうですよ。
食事をしにいったお店のスタッフさんがカッコいいちょんまげスタイルだったら、常連客になってしまいそうですね!
行ってきます pic.twitter.com/U5h11zW1PG
— とりにく (@tarakosan114) April 16, 2024
お店のスタッフさんやお客様にも好評のちょんまげスタイル
投稿者さんに、こちらのエピソードについて詳しくお伺いしました!
---こちらの証明写真は、どんなお仕事の応募に使用したのでしょうか?
「今回採用いただいた沖縄料理店とは別件で、3年ほど前コンビニの面接を受けた際に使用した証明写真です」
---今回、沖縄料理店に採用になった時のお気持ちを教えてください。
「大変失礼な話ですが『落ちるだろう』と半ばあきらめというか開き直って受けた面接でしたので、『採用』の言葉を聞いた時あまりの衝撃でとっさに二度聞きしてしまいました」
---おめでとうございます!お店の方はどんなふうにおっしゃっていましたか?
「店長さんや他従業員さんいわく『毎日セットしなければいけないんだからむしろ清潔なのでは?それに、髪型でどうこう言うなんておかしい。きちんとした失礼のない接客をすることが何より大切なんだから』と温かい言葉を頂きました」
---素敵な店長さんですね!スタッフさん、お客様の反応はいかがでしたか?
「お客様の反応は、至って普通という印象でした。中には当然驚く方もいらっしゃいましたが、そもそもまさか店員が地毛のちょんまげとは思わないので何かの見間違いと思うか深く見ないか、驚かれるとするとお客様にお料理を運ぶ際やや屈んだりして『お兄さんちょんまげ!???本物!???』というパターンです」
---気づいたお客様だけが思わず二度見してびっくり! というパターンですね。
「お客様も先輩従業員も一貫して『初めは驚くしまさか本物とは思わないけど見慣れると全然普通だよね、極端な話、剃ってるだけでポニーテールを二つ折りにしてるだけだからそんな大袈裟な髪型ではないよね、自然でいいと思う』と好意的な反応を多数いただきました」
---その通りですよね。
ちょんまげにしたきっかけは……
---どんなきっかけでちょんまげにされたのでしょうか?
「高校時代に『日本人なら和服を着たい、持ちたい』と思い買いに行ったところ『自分はこれだ!』と大ハマリし、何も無理に洋服を着る必要がないことに気がつきました。それから毎日和服を着ていたのですがある時床屋に行くのをサボって髪が伸びっぱなしになっていたのを殿様風(茶筅髷と言いますが)にまとめてみたところ、これまた『そうか!せっかく和服を着ているのだからこのまま髷にしてしまおう!』とひらめき、総髪髷(剃らずに結う髷)を結うことにしました。ただ自分の骨格的にトップに毛があるとシルエットが決まらなかったので本格を突き詰める意味も込めて剃ってしまいました」
---徐々に今のスタイルになっていたのですね。
ちなみに、殿様風スタイルはこちらです。このヘアスタイルも趣きがあって素敵ですね!
殿様みたいな髷(茶筅)です pic.twitter.com/wD0lzQ8hfr
— とりにく (@tarakosan114) April 21, 2024
---ちょんまげのどんなところに特に魅力を感じていらっしゃいますか?
「月代(剃髪部分)の青白さと髷の黒との対比に魅力を感じています。また、元が髪の毛であることを忘れるほどに作り込まれた造形が、なんとも不思議で美しく思います」
---確かに不思議だけど美しいです。ご自身のちょんまげ姿のお写真をご覧になって、改めてどんなふうに思われましたか?
「今では自分も周りも(家族親戚友人など)すっかり慣れきっていて、この頭で普通に生活をしていることがそれほどの驚きではないと感覚が麻痺していたのですが、今回大きな反響を頂いて、改めて自分の写真を見てみると我ながら『現代でこの髪型ってなかなかすごい事なのかもしれない』と思いました。ましてモデルやイベントではない普通のバイトに採用して頂いたのは初めてのことなので、自分の容姿が世間といかに違うか見つめ直す機会になりました」
---とりにくさまの素敵な「和装+ちょんまげ姿」をきっかけに、もっとこのレトロでカッコいいスタイルが普及すると良いですね! 貴重なエピソードをありがとうございました!
「京都のガイドさんになってほしい!」勧誘の声続々
こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられていました。
京都のガイドさんとかいかがでしょう
ぜひ太秦映画村へ…(笑)
丁髷最高すぎる…! 当店(駄菓子食べ放題レトロBAR)でもバイトしてくれないかな
「ちょんまげ+和装」スタイルを活かせるさまざまな現場の名前と、「こんなところでも働いてみてほしい!」という声がたくさん集まっていました。
沖縄料理店でちょんまげ姿のスタッフさんを見かけたら、それはとりにくさんかもしれませんね!
取材協力:とりにく(@tarakosan114)さん