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大人が意外と間違える「サイコロを3回振る → 少なくとも一度“2”が出る確率は?」

  • 2024.4.26
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宝くじの当選確率やゲームの勝率など、確率は私たちの身近にある算数・数学です。

でも、確率の正しい計算の仕方は案外忘れてしまっているものではないでしょうか。

身近だからこそ、確率の問題は勘違いしやすい面があるのかもしれません。

今回は、すごろくでおなじみ、サイコロに関する確率問題に挑戦してみましょう。

問題

サイコロを3回振ります。
少なくとも一度は2の目が出る確率はどうやって求めたらよいでしょうか。

手元に紙や計算機がない場合は正確な数字を出さず、「解き方」を考えるだけでもOKですよ。

解答

今回の問題の答えは「91/216」%で表すと約42%です。

「サイコロを3回振って少なくとも一度は2の目が出る確率」は全体の確率から3回とも2の目が全く出ない場合の確率を引いて求めます。

3回とも2の目が全く出ない場合の確率を求める

3回とも2の目が全く出ないということは、1回目、2回目、3回目それぞれで5つの目(1,3,4,5,6)のどれかが出ればよいわけです。

例えば、1回目と2回目に1が出る場合を考えてみると次のように5つのパターンが考えられます。

1回目 2回目 3回目
1 1 1
1 1 3
1 1 4
1 1 5
1 1 6

次に1回目を1、2回目を3にしてみるとやっぱり次のような5パターンが考えられます。

1回目 2回目 3回目
1 3 1
1 3 3
1 3 4
1 3 5
1 3 6

このように、2回目の数、3回目の目の数はそれぞれ5パターンあります。

よって1回目の目を1に固定した時のパターン数は5(2回目)×5(3回目)になります。

 

では、今度は1回目を動かしてみましょう。

1回目の目はやはり(1,3,4,5,6)の5パターンを取れますので、先ほど考えた5×5パターンがさらに5回繰り返されます。

つまり、3回とも2の目が全く出ないのは5(1回目)×5(2回目)×5(3回目)パターンあるということになります。

次にサイコロを3回振った時に起こりうるすべての場合の数を考えます。

サイコロには6つの目があるため、6×6×6パターンになることが分かりますね。

確率は「特定のケースが起こる場合の数÷起こりうるすべての場合の数」で計算できます。

だから、「3回とも2の目が全く出ない確率」は(5×5×5)÷(6×6×6)になります。

全体から3回とも2の目が全く出ない場合の確率を引く

「さいころを3回振って少なくとも一度は2の目が出る確率」は、「全体の確率-さいころを3回振って2の目が一度も出ない確率」で求められます。

つまり、次の計算をすればよいことになります。

(6×6×6)÷(6×6×6)-(5×5×5)÷(6×6×6)

=216/216-125/216

=91/216

ポイント

「少なくとも一度は~な場合」の確率問題では、その逆になる「一度も~が起こらない場合」の確率を求めて全体の確率から引くのが効率的な解き方です。

例えば今回の問題では、2が1回だけ出る時、2が2回出る時、3回とも2の時、それぞれのパターンを数え上げなくてはいけません。

これはややこしく計算ミスも起こりやすいです。

そこで、まずは計算しやすい「2の目が3回とも全くでない場合の確率」を求め、全体の確率から引くという手法を取るのです。

まとめ

今回は、確率の問題の中でもメジャーな「少なくとも一度は~な場合」の問題に挑戦しました。

今回のように確率には解き方によって難易度が変わってくる問題があります。

定番の解き方を知っておくと、解答がスムーズになります。また、「どうしてこの解き方をするんだろう」というポイントも抑えておくとより記憶に残りますよ。

※当メディアでご紹介する数学関連記事において、複数の解法を持つものもございます。
あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。



文:編集(監修):VY

数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。


確率の基本問題でもう一問!

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