方程式は「両辺が等しくなる式」として、中学校で学習します。
計算方法に不安があるという方でも、「方程式」という言葉は聞いたことがあるはずです。
では、「不等式」は覚えているでしょうか。
今回は意外と忘れている「不等式」の問題に挑戦してみましょう!
問題
次の不等式を解きなさい。
x+4 > 3x-8
与えられた不等式の条件を満たすxの範囲を求めることを「不等式を解く」と言います。
計算の仕方は、方程式と同じような操作をしていきます。
ただし、マイナスの数を掛けたり、割ったりする際には注意が必要です。
解説
今回の問題の答えは「x<6」です。
不等号の向きに注意しましょう。
途中式は次のようになります。
x+4>3x-8
→x-3x>-8-4
→-2x>-12
→ x<6
「移項」の操作は、方程式とまったく同じです。
気をつけなければいけないのは、
→-2x>-12
→ x<6
という最後の部分です。
両辺を「-2」で割っています。このとき不等号は逆向きになります(「>」だったのが「<」になります)
したがって、「x<6」が答えです。
不等式とは
不等式というのは、「数の大小関係を表す不等号を用いた式」のことです。
不等号は以下の四つの記号があります。
>、<、≧、≦
「等号(=)」が「等しい」ということを表すのに対して、これらの不等号は大小関係を表します。
「くの字型」の開いている方が大きい、閉じている方が小さいとなります。
(例)x>5
これは「x大なり5」と読み、「xは5より大きい」ということを意味します。
「>」や「<」は見覚えはあっても、「≧」「≦」との違いを知らない方がいるかもしれません。
(例)x≧5
これは「x大なりイコール5」と読み、「xは5以上」ということを意味します。
「5より大きい」は5を含みませんが、「5以上」は5を含むことになりますね。
不等式の性質
不等式を解く際に気をつけなければいけないのは、以下の性質です。
不等式の両辺に正の数を掛けたり割ったりしても、不等号の向きは変わらない。
不等式の両辺に負の数を掛けたり割ったりすると、不等号の向きが変わる。
例えば、次のような不等式を考えてみましょう。
(例)5<8(5は8より小さい)
両辺を2倍すると「10<16」(10は16より小さい)となり、これは正しいと言えます。
2倍、3倍、4倍…としていっても、不等号の向きは変わりません。
では、-2倍するとどうでしょうか。
5×(-2)=-10
8×(-2)=-16
となり、-10の方が大きい数となります。
つまり、「-10>-16」(-10は-16より大きい)となり、不等号の向きが変わりました。
このようにマイナスの掛け算をした際は、不等号の向きが変わるということに注意しなければいけません。
(マイナスの割り算も同様)
まとめ
不等式の計算方法は、方程式と同じように行うことができます。ただし、マイナスの数で掛けたり、割ったりする際だけ、不等号の向きに注意する必要があります。
忘れていた方は、ぜひこの機会に学び直しをしてみましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
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