1. トップ
  2. 「ちゃんとした服で撮るなら教えてくれよ」 卒業公演の告知画像に『18万いいね』「物凄い演奏しそう」

「ちゃんとした服で撮るなら教えてくれよ」 卒業公演の告知画像に『18万いいね』「物凄い演奏しそう」

  • 2024.3.1

パーティーや試験の案内に「カジュアルな服装でお越しください」と書いてあったからいつもの普段着で行ったのに、周囲はオシャレをしていたりスーツ姿だったりして焦った、なんていう経験はありませんか?

大阪音楽大学在学中の、・(@T_saxatilis)さんが卒業演奏会の告知画像をX(旧Twitter)に投稿すると、18万いいねが集まり(2024/02/29時点)、「面白すぎ」「なんでだよ(笑)!」「似た経験ある…!」と大きな話題を呼んでいます。

その話題の告知画像が、こちら!

undefined
出典:・(@T_saxatilis)さん ※投稿者様のご希望によりTRILL編集部で画像を加工しています

※下記の日付のリンクからX(旧Twitter)に移行します

(@T_saxatilis) 2024年2月28日

そこそこちゃんとした服で撮るなら教えてくれよ

皆さんドレスや蝶ネクタイなど、演奏会の最中のようなお召し物ですが、・さんこと石脇陽太さんだけオレンジ色のTシャツ!

「ええ〜!みんなこんな正統派衣装で撮影するなら教えておいてよ〜!」と頭を抱えたくなってしまいそうなところですが、実はこちら、石脇さんご自身の意思で選んだ「勝負服」なんです!

どのような経緯でこちらの告知画像が誕生したのか、石脇さんご本人にインタビューをさせていただきました。

Tシャツ姿は「4年間をかけた壮大なフリとオチ」!?

ご投稿者の石脇陽太さんに詳しいお話をお伺いしました。

---つい吹き出してしまいました!こちらの告知画像が生まれたきっかけを教えてください。

「まずここまで拡散されると思っていませんでしたので訂正させていただくのですが、何も知らされておらず1人だけこうなったわけではなく、ちゃんと普段の格好で写真を撮ろうと自分から提出したものです

---なぜこちらの平沢進さんのライブグッズTシャツを「勝負服」に選ばれたのでしょうか?

「平沢進さんというアーティストに私が見出したのは『自身の表出としての音楽』でした。楽器を続けたいから、とか演奏がカッコイイから、とかジャズを始める理由としてはこのようなものが多く、私もその1人です。しかし平沢進というアーティストに出会ってから自分という生き方を表現する上で自分はたまたま音楽を選んだだけという側面が浮き彫りになってきました。もし私が絵描きなら絵を描いていたでしょうし文筆家であれば小説を書いていたでしょう」

---とても良い刺激を受けたアーティストなのですね。

「そのような音楽の捉え方を続けてきて卒業の年、プロのジャズプレイヤーを呼んで作編曲から演出、世界観までをひとつに仕上げた卒業公演を行いました」

「そのような音楽性、人生観を変えてしまった人のTシャツを複数枚常用してたが故の確率論です。一番取りやすいところにあのオレンジ色があっただけで別のグッズのTシャツであった可能性も十分にあります

---深い理由が……と思ったら違う可能性も出てきましたね(笑)。告知画像をご覧になって、どう思われましたか?

「大学の職員さんからチラシの確認の電話もいただき、まわりの様相も確認した上で自信満々でこのままで良いと答えております。なおその時、多少寝起きであったことは否めません」

---寝起き感も良い方向に作用していますね!

卒業演奏というのは音大生の中でも花形、いわばその学科のトップ、しかもただ1位なだけでなくその上で基準となる技術を超えた人間だけが選ばれる狭き門です。実際、大衆音楽という音大の中で多少キワモノである学科の中で選ばれることはなかなか難しいと記憶しております。その中で4年間をかけた壮大なフリとオチとしてこの大一番を機能させたことは、そういう覚悟の一つでもあるような気がしています」

---壮大なフリとオチ……!素敵な発想です。

「音大で学ぶような人間はどこか一般大学の人間とは違う……とかクラシックとかジャズとかはどうも高尚な気がして……とかそういう偏見がなくなれば嬉しいです」

---確かにフランクな印象を与えてくれますね。こちらの一覧に掲載されている他の学生さんたちからは何か反応がありましたか?

「恥ずかしながら大阪音楽大学のジャズ科は『鎖国』と呼ばれるほどに他専攻との関わりが薄く(特に我々入学年疫病直撃世代)、なかなか友達はいません。性格上、私は特にいません。その中で引用RTを見ていると、それこそチラシの中にいらっしゃる方、在校生、卒業生、フォローされていなかった中高の知り合いまで点々と見かけました。もしかしたらこれが初めて他専攻の友達ができるキッカケになるかもしれません。楽しみにしています」

---出会いの良いきっかけになるかもしれませんね!どんな演奏会になりそうでしょうか?

「このツイートの前日に、4年間お世話になり首席にまで育てていただいた古谷光広先生がお亡くなりになりました。本来卒業演奏もご覧いただく算段だったのですが叶わぬ夢となりました。この大拡散も、彼が仕組んで回り回って卒業演奏に来る人間を増やしてくれたのかもしれないと思うと回りくどいなぁと笑いつつ寂しくてなりません。私にとって今後の音楽生活の覚悟、そして図らずも故人を偲んでの思い出の曲を演奏します。ちなみに、先ほどの YouTubeの映像の、映像最前列一番右に座っている赤い方が古谷光広先生です」

---とても寂しいですが、思い出の曲はきっと先生にも届きますね。

Twitterで見た人だ!をやりにでもいいので、1人でも多くのお客様にお越しいただきたく思います

2023年度大阪音楽大学卒業演奏会は、2024年3月13日(水)、14日(木)、15日(金)に開催。石脇さんのご出演は14日とのことですが、他の2日も無料で聴きに行くことができるそうです。詳しくは下記の大阪音楽大学の公式Webサイトをご確認ください。

大阪音楽大学 演奏会情報
https://daion.ac.jp/concert-news/180323/

こんな声も

こちらの投稿にはさまざまなコメントが寄せられていました。

これで誰がツイ主かすぐわかるのおもろい
だめだ草がジワジワとまらん 今後たぶん演奏会ポスター見る度にふと思い出して撃沈する気がする
これはみんな宣材写真用意してくるよ普通wwwwwwww卒演やしwwwwwwww 思いがけず大音の名前が広まって草

むしろ素敵!

逆に物凄い演奏聞かせてくれてそうな雰囲気を漂わせてる
ワロタw
でも演奏者がTシャツとか敷居が高くなくて逆に良い。もちろん演奏時はピシッとしてるだろうけど。
これで聴衆が例年比で明らかに増えたら 功労者!?

私も似た経験が…

これと似たような話で、入社時に「新規採用者の社内紹介で使うから写真ちょうだい」って人事課に言われて、はっちゃけた写真送ったら俺以外みんなスーツの写真だったことはあったな…
仕事関係の集まりの案内に「カジュアルで」って書いてあったからMA-1ジャケット着て行ったら周り中スーツだったことあるにゃ~
自分も過去にクラシック畑の方とアー写並べられたことがあって、似たような現象になったことあります

石脇さんの投稿をきっかけに、こちらの演奏会やジャズに興味を持った方も多いようです。また、同じTシャツを持っているという同好の士からの喜びの声も届いていました。

本番当日の、想いを乗せた真摯な演奏はもちろんのこと、石脇さんの服装にも注目が集まりそうですね!



取材協力:・さん(@T_saxatilis

大阪音楽大学 演奏会情報
https://daion.ac.jp/concert-news/180323/