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押し寄せる「世代交代」の波?スズ子(趣里)は『買い物ブギ』で返り咲くか

  • 2024.3.1

世代交代の音がする。喜劇王・タナケン(生瀬勝久)は怪我をし、愛助(水上恒司)の母・村山トミ(小雪)は肺結核で亡くなり、山下(近藤芳正)が「マネージャーを辞めたい」と言い出した。連続テレビ小説『ブギウギ』の第22週「あ〜しんど♪」では、抗えない世代交代の波を感じざるを得なかった。

聞こえてくる「世代交代」の音

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(C)NHK

茨田りつ子(菊地凛子)から大野(木野花)を紹介してもらったおかげで、愛子(小野美音)の世話や家事、仕事まで上手くまわるようになってきたスズ子(趣里)。

家のなかに新しい風が吹き込んできた瞬間、さまざまな変化が訪れた。

ともに舞台や映画をつくってきた喜劇王・タナケンは足に怪我をし、村山興業の社長・トミは肺結核で亡くなる。愛助、トミを続けて亡くした山下は、ふっと肩の力が抜けたようになり、やがてスズ子に「マネージャーを辞めさせてもらいたい」と告げた。

スズ子を取り巻く人間関係が、刻々と変わっていく。そのさまは時代の移ろいとリンクして見える。『ラッパと娘』から始まり、『東京ブギウギ』『ジャングル・ブギ』など、羽鳥(草彅剛)&スズ子のコンビは、日本の空気を盛りあげる名曲を打ち出してきた。

聞こえてくる世代交代の音に怯えてか、スズ子は必死で羽鳥に「次の新曲を!」とせがむ。果たして彼らの次の一手は?

満を辞した『買い物ブギ』の評判は?

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(C)NHK

山下の代わりに、新しくスズ子のマネージャーとなったのは柴本タケシ(三浦獠太)。山下の甥にあたる彼は、実直そうな佇まいではあるが、スズ子のワンマンショーの稽古中に居眠りをしたり、挙げ句の果てに寝坊したりと、仕事に身が入っていない様子。

ワンマンショーの当日に寝坊してしまったタケシは、ついにクビか……と恐れるが、遅れてやってきたタケシに向けてスズ子が言ったのは「よう見ときや」。この日、初披露された新曲『買い物ブギ』の、まさに圧巻たるパフォーマンスで、聴衆はもちろんタケシの心も掴んだ。

大野から「嘘や誤魔化しなく、正直に働け」と背中を押してもらっていたタケシ。何をやっても上手くいかず、大学も中退し、無職でフラフラしていた彼は、歌などの芸能にもイマイチ興味が持てずにいた。

しかし、大野の言葉、そして間近で見たスズ子の歌と踊りで、ようやくマネージャーとしてやっていく覚悟が決まったようだ。

世代交代の音が響いた第22週。スズ子自身も、一歌手として、そして後に続く若い世代を育てる者としての意識を新たにした。タナケン、山下、そして羽鳥の思いを背負い、言葉を尽くさずとも歌と踊りだけで、後進に示してみせた。人を喜ばせることの難しさ、そして、おもしろさを。



ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。Twitter:@yuu_uu_