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大谷翔平の試合を"396戦連続で現地観戦した"YouTuber。ドジャースに移籍したからこそ生まれる嬉しい苦悩とは?

  • 2024.4.21
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写真:PIXTA

今季、ロサンゼルス・ドジャースとプロスポーツ史上最高額となる10年7億ドルの契約を結び、新天地でのプレーを選択した大谷翔平選手

メジャー開幕後もその一挙手一投足が日米で注目を集めていますが、そんな大谷選手を昨季まで396戦連続で現地観戦した“熱狂的”なファンの存在をご存じでしょうか。

You Tubeチャンネル『Shinsuke Handyman(シンスケ・ハンディマン)』を運営するロサンゼルス在住のシンスケさんは、大谷選手が出場する全試合を生で観戦し、その様子を毎試合アップしています。

世界一!?“大谷愛”溢れるYouTuberに取材

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シンスケ・ハンディマンさん提供

 

登録者数13.2万人(4月17日時点)のYou Tubeチャンネル『Shinsuke Handyman(シンスケ・ハンディマン)』を運営するロサンゼルス在住の日本人男性、シンスケさんは大谷選手が出場する全試合を生で観戦し、その様子を毎試合アップしています。

また、不定期でYouTube上でライブ配信も行っており、そこではファンとの交流も行っています。

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YouTubeより

TRILLスポーツでは、そんな“大谷愛”溢れるシンスケさんにインタビューを敢行。

本拠地開催試合はもちろん、ビジターの試合も現地観戦にこだわり、アメリカ中を飛び回る“謎のYouTuber”シンスケさんの正体に迫ります!

(聞き手・花田雪)

"大谷中心"の生活スケジュール

――シンスケさんは昨季終了時点で大谷翔平選手の試合を396試合連続で現地観戦。今季も韓国での開幕シリーズを除いてアメリカ開催の公式戦を現地で観戦するんですよね?

シンスケ そうですね。ドジャースタジアムでの試合はもちろん、ビジターの試合も今のところ、すべて見に行くつもりでいます。

――メジャーリーグの公式戦は年間162試合。半分はホームの試合ですが残り半分はビジターゲームとしてアメリカ中を飛び回ります。シンスケさんは一体、毎日どんな生活を送っているのですか?

シンスケ ホームゲームの場合は、試合が始まる前、ゲートオーオープンの時間に合わせてスタジアムに向かいます。そこで「まもなくゲートオープン」という生配信を行います。特に現地に来られない日本のファンの方に向けてスタジアムの特徴などを解説したり、テレビ放映では見られないスタジアム周辺を案内します。それが終わったらスタンドに移動して、試合観戦。特に大谷選手のプレーはスタンドから動画で撮影します。試合が終わったら「アフターゲーム」という生配信を行ってファンの人たちと交流します。その後、自宅に帰ってその日の大谷選手のプレー動画の編集作業を行います。ナイターゲームの場合は試合が終わるのが22時過ぎることもあるので、編集作業が終わるのは深夜2~3時ころ。そのあとで少しだけ寝て、朝5時~6時くらいからまた生配信を行います。日本時間では夜なので、前日の試合のことや、テレビでは放映されていない私が見た大谷選手のエピソードなどを1~2時間ほど。そのあと、午前中から仕事をして、昼の14~15時くらいにはまたスタジアムへ向かう。そんな感じです(笑)。

――睡眠時間の短さも驚きですが、試合がない時間も配信や編集作業にかなりの時間を割いているんですね。

シンスケ そうですね。特にシーズン中は「大谷選手の試合や動画作業の合間を使って睡眠や仕事の時間を確保する」という感覚です(笑)。

選手以上に過酷!?な"飛行機"問題

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写真:PIXTA

――本当に「大谷翔平中心の生活」なんですね。となると、ビジター開催の場合はもっと慌ただしいのでは?

シンスケ どこで開催されるかにもよるんですけど、東地区でロスからの直行便がない場合は大変です。たとえばナイトゲームの場合も、ちょうどよい時間に着く飛行機があればいいんですけど、ない場合は前日の夜中に飛行機に搭乗して、試合当日の朝に現地の空港に到着します。そこからホテルのチェックインまで待って、すぐにスタジアムへ向かいます。そこからは基本的にホーム開催と同じルーティンで生配信、試合観戦、試合後の配信とを終えて、ホテルに帰ってから編集作業に入ります。その上で、翌朝はまた生配信を行います。

――選手たちはチャーター便で移動できますが、シンスケさんは自分でチケットを取って移動するわけですよね……。メジャーリーガーよりも過酷な移動なのでは?

シンスケ いやいや、それはもちろん選手たちのほうが大変なはずです(笑)。ただ、チャーター便は試合が終わるのを待ってくれますが、普通の飛行機は絶対に待ってくれないので、「確実に乗れる時間帯の飛行機を押さえておく必要があります。たとえば試合翌日が移動日に設定されている場合も、延長になったケースを考えて、試合後の便ではなくて翌日朝のチケットを取るようにしています。万が一、乗りそびれてしまったら大変ですからね。

"強いドジャース"に移籍したからこその嬉しい悲鳴とは?

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背景にはライブ配信でおなじみの大谷選手の壁紙が。

――それは、「大谷翔平を全試合追いかけている」からこそ生まれる苦労ですね。今季も全試合追いかけると想定した場合、「ここは厳しそう……」みたいなタイミングはありますか?

シンスケ レギュラーシーズンはいいとして、問題はポストシーズンに進出した場合です。対戦相手が決まるのもギリギリになる可能性がありますし、そうなると試合会場がどこになるかも変わってきます。また、当然ながらチケット代もシーズンより高くなるんですね。仮にワールドシリーズまで進めば例年よりも1カ月ほど、「観戦期間」が長くなります。仕事のこともありますし、もちろん費用のこともあるので……。ドジャースは強いチームなのでポストシーズンに進む可能性は高いですし、大谷選手もそれを望んで移籍したはずなので嬉しい反面、「どうしよう……」という思いもあります(苦笑)。

――なるほど!うれしい悲鳴でもある反面、「大谷翔平を最後まで追いかけよう!」とすればそれなりの時間とお金をさらに捻出する必要があるワケですね。

シンスケ なので、もしポストシーズンで私が現地にいない場合はお察しください(笑)。とはいえ、せっかくのチャンスなので、そうなった場合もなんとかして現地で見たいとは思っています。

――ポストシーズンは大谷選手の活躍はもちろん、シンスケさんが「現地に行けるのか?」も注目ですね!ありがとうございました!


取材・文
花田雪
1983年、神奈川県生まれ。編集プロダクション勤務を経て、2015年に独立。ライター、編集者として年間50人以上のアスリート・著名人にインタビューを行い、野球を中心に大相撲、サッカー、バスケットボール、ラグビーなど、さまざまなジャンルのスポーツ媒体で編集・執筆。著書に『あのプロ野球選手の少年時代』(宝島社)『オリックス・バファローズはいかに強くなったのか』(日本文芸社)がある。

※1ドル=150円で計算しています。

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