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大人が頭をかかえる数学「30分で車が通る確率=95%」→10分なら何%くらい?

  • 2024.2.8
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「確率」というのは、しばしば直感とは異なる結果になることがあります。

直感では「これくらいの確率かな」と思っても、きちんと計算すると実は違っています。

きちんと整理して、数式を交えて考えることで、その理由も納得できるはず。

今回はそのような確率の問題に挑戦してみましょう。

問題

ある道路では、30分以内に車が通る確率は95%である。 では、10分以内に車が通る確率は?
(正確な確率計算は複雑な数式になるので、およそどれくらいになるかを予想してみましょう)

30分以内で95%なら、その1/3の10分以内は30%くらいの確率になるのでしょうか。実はそれは違います。

 

さて、今回の問題の答えは「約63%」です。

解説

今回の問題で気をつけないといけないのは、「30分以内に車が通る」がどういうことかという点です。

これは「30分以内に、少なくとも1台(1台以上)の車が通っている」ということですね。「30分以内に1台だけ車が通る」とは違います。

「30分以内に車が通る確率」が95%ということは、「30分以内に車が全く通らない確率」は5%です。

ここで「10分以内に車が全く通らない確率」を考えてみましょう。この確率をPとすると、これが3回連続で起これば「30分以内に車が全く通らない」となります。

つまり、
P×P×P=0.05 (5%)
P³=0.05

このとき
P=0.368・・・となります。
(この計算は、電卓を使用しています)

よって、「10分以内に車が全く通らない確率」は約37%ということです。

全く通らないという確率が約37%なので、「10分以内に車が通る確率」は100-37=63となり、約63%が答えとなります。

 

今回の問題は条件などが簡略化されていますが、経済学などではとても重要な考えのひとつです。

「あるお店で、1時間以内にどれくらいのお客さんが見込めるか」ということを数式を用いて考えることができるのです。

まとめ

直感で求めた確率は合っていたでしょうか。意外と違うかったという人が多いのではないでしょうか。

確率というのは、目に見えない現象を数式で表しているため、しばしば直感とは異なる結果となります。

騙されないように、しっかり数式を用いて確認をしましょう!

 

※解き方は複数ある場合がございます


文・編集(監修):SAJIMA

日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」