あるグループの中で役職を決める際、「Aさんががリーダーになれば、リーダーシップを発揮してくれるはず」とか「Bさんがリーダーなら、グループの意見をきちんと聞いてくれるはず」とか、いくつかのパターンを考え、検討をするのではないでしょうか。
1人だけを選ぶのであれば簡単ですが、複数の人を選ばなければいけないときは、その組み合わせも考慮しなければいけません。
何通りのパターンを考えないといけないのか、すぐに計算できますか?
今回はそのような問題に挑戦してみましょう。
問題
8人の中から2人の委員を選ぶ選び方は何通りありますか?
よくある間違いは56通りとしてしまうことです。しかし、これは違います。どのように考えれば良いのでしょうか。
今回の問題の答えは「28通り」です。
解説
8人の中から2人を選ばなければいけません。今回は、その2人を順に選んでいきましょう。
まず1人目の委員は、8人の中から選出することができます。(8通り)
その後、2人目を選ぶのですが、残っているのは7人です。(7通り)
この時点で、8×7=56通りの組み合わせということになります。しかし、これは答えではありません。
この56通りの中には重複した組み合わせが含まれています。
例えば、「1人目としてAさん、2人目としてBさん」の選び方と「1人目としてBさん、2人目としてAさん」の選び方は、どちらも「2人の委員はAさんとBさん」ということになってしまいます。
これは、同じ組み合わせを重複してカウントしてしまっています。
同様に、56通りのすべてに、選んだ順による違いがあるので、組み合わせは半分にしなければいけません。
したがって、56÷2=28となり、28通りが答えとなります。
ちなみに、高校数学で学習する「組み合わせC」の記号を使うと、「8C2=28」となる計算と同様です。
また、問題文が次のように変わると、どうでしょうか。
8人の中から委員長と副委員長を選ぶ選び方は何通りありますか?
「委員長と副委員長」となりましたが、結局「2人の委員」と同じなのではと考えなかったでしょうか。
実は「委員長と副委員長を選ぶ」とした場合は、56通りとなります。
2人の委員の場合は「AさんとBさん」という選び方に順序は関係なかったのですが、「Aさんが委員長で、Bさんが副委員長」「Bさんが委員長で、Aさんが副委員長」は、それぞれ異なる状況ですね。
したがって、この場合は8×7=56通りとなります。
まとめ
「組み合わせ」の問題の難しさは、重複がないかどうかです。
どのような選び方をしたかによって、計算の仕方も変わってくるので注意しましょう。
※解き方は複数ある場合がございます
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」