お店の経営をやっている方にとっては、「利益」がいくらになるかは重要なことです。
「原価」がいくらなのか、そして「定価」をどのように設定するか、これによって「利益」が決まってきます。
もちろん現実では様々な要因によって利益が上下するはずですが、「利益率」の基本的な考え方は、小学校の算数で解決することが可能です。
今回はそのような問題に挑戦してみましょう。
問題
原価が1000円の商品に、200円の利益を見込んで定価をつけました。
このとき、利益率はいくらでしょうか?
(答えは四捨五入して、整数で答えましょう)
よくある間違いは、「原価1000円に対して、利益200円なので200÷1000=0.2。だから20%だ!」というもの。これは実は間違いです。
「利益率」というのは、どのように計算するのでしょうか。
さて、今回の問題の答えは「約17%(16.66…%)」です。
解説
算数の文章題において、売買に関する問題で気をつけないといけないのでは、「原価」「定価」「売値」をきちんと区別することです。
「原価」は、販売するお店が卸売り業者などから買うときの値段のことです。
(正確な会計用語としては、人件費や家賃など、その他経費も含めて考えますが、ここでは省略します)
お店は、この原価でお客さんに販売をしているわけではありません。原価に利益を上乗せした「定価」で販売をします。
ときにはセールなどで、さらに割引することもあるかもしれませんね。売れたときの値段が「売値」となります。
今回の問題では次のようになります。
原価:1000円
定価:1200円
売値:定価と同じ(割引など無しのため)
さて、では「利益率」はどのように考えるのでしょうか。
利益率は次のような計算によって求められます。
(利益率)=(利益)÷(売上)
「売上」となっていますが、今回は商品1個あたりを考えているので「売値」ということになります。
したがって、利益率は次のように計算します。
(利益率)
=200÷1200
=0.1666・・・
16.66...% → 約17%ということになります。
※「利益率」は、現実での会計処理と算数の文章題では、考え方が異なる場合があります。
まとめ
算数の問題でも「原価」や「定価」について考える問題がありますが、きちんと「社会の仕組み」について知っていないと解くことができません。(特に小学生では、原価と定価の違いを知らない場合があります)
日常生活でも役に立つ算数のひとつですね。間違えた方は、ぜひ復習をしてみてください!
※解き方は複数ある場合がございます
文・編集(監修):SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」